Bali Gamelan Club 制作CD


共鳴瞑想
Gong Geladag/ゴング・グラダグ
VICG-60409
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ブロンズの開花
Manikasanti/マニカサンティ
VICG-60410
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その後の嬉しい裏話/グラダグ練習場の大改装!!

 自分にとって2000年の最も大きな出来事でもあったこの2枚のCD制作では、様々な関係の方々の協力で無事完成させることが出来た。また、収録の2ヶ月後には自分にとっては3回目となるバリ島芸術祭への参加など、これまで以上にバリ島のガムラン関係の方々との関係を深めることが出来たことが、私のミレニアム・イヤーとなった。
 あれから1年、自分の周辺にも様々な変化があったりと、短いようでいてやはり時が過ぎるということは様々な変化があるものだと考えさせられてしまう。が、変化というのは辛いこともあれば嬉しいこともあるわけで、とりわけこの1年の中で嬉しい出来事がこれらの収録に関係して起こってくれた。
 というのも、1年前に録音したGong Geladagの本拠地である村の集会場、正確には集会場の向かいにある楽器置き場兼練習場が、昨年の録音のギャラを元手に大改装が行われたのだ。この情報はこの4月に昨年の収録時にコーディネートをお願いしたM.T.嬢からのメールで第一報が入ったのだが、先週(7月上旬)に1年ぶりの里帰りで、ようやく新装になった練習場を見に行くことが出来たのだ。

旧練習場外観(2000年4月当時)

新装オープン後(2001年7月現在)

 自分の仕事でレコーディングでの演奏料をお支払いすることは至極当たり前のことなので、通常はとにかく良い録音が録れ、良い作品になるということの方が何よりの楽しみなのだ。まして当然の謝礼について後までそれがどのように使われるかなどということなど考えるのはもってのほかなのだ。もちろん事前の交渉中に「これこれの理由があって×××の金額が必要だ」というようなことを言われることがあるが、それはあくまでもビジネス上のやりとりなわけで、今回のように仕事上でお渡ししたものが形のあるものとして報告を受けることなど全く予期していなかったことだった。
 それはともかく、ガムランを演奏する仲間としてこのようなニュースを聞かされることは、何とも形容のしがたい嬉しいような恥ずかしいような気にさせられる。とにかくこのことを聞いて涙が出るほど嬉しかったことは言うまでもない。
 上の2点の写真を見て頂けるとわかると思うが、昨年訪れたGeladagの練習場(写真左)は、数々の賞を受賞しているこのグループとして、普通のガムランのBanjarに比べれば十分に立派な建物だと思っていた。新装になった建物はさらに2階部分が増築され、内装・外装ともより豪華な装飾が施され、2階部分にはこのグループで演じられる踊りのグヌンガン(頭に付ける装飾)や衣装などが納められている。
 自分がガムランを始めて以来、最も憧れていたグループの一つということもあり、私にとっては何よりもありがたく、光栄な出来事であった。

旧練習場ガンサのスペース

新装後のガンサの位置

旧練習場内部

現在の内部
 今回伺った日にはちょうどこのバンジャールで定期的に行っている舞踊スクールの発表会前ということで、大勢の近隣のこどもたちがその練習に励んでいた。このスクールはこのバンジャールが全ての経費を持って、お願いする先生の謝礼やケータリングなどもバンジャールとして賄っている。とにかく平日の午後にもかかわらず、実に大勢のこどもたちが実に元気に踊りの練習に没頭していたり、自分の出番でないこともたちが周りではしゃいでいたりと実に活き活きしている光景は、とにかく見ている方も楽しくなってしまう。発表会の時には有名な踊りの先生方が審査員として招かれ、演奏にはこのGong Geladagが生で演奏するという。それも、同じ演目だけでも8〜9回に分けて踊らせなければならないので、何回でも同じ曲を演奏してあげるのだそうだ。SMKIやSTSIなどの専門学校ではないところでのこのような光景を、機会があったら是非一度見に行ってみたいものだ。これらのこどもたちの中からも、きっと次世代を担う舞踊家や演奏家が輩出されてくるのだろう。