女流義太夫 人間国宝 竹本駒之助
「近頃河原の達引 堀川猿廻しの段」
6月21日CD発売決定
 日本の人形芝居の音楽義太夫はインドネシアのワヤン・クリにも通じる総合芸術です。日本でガムランを実演する者にとって絶対に押さえておきたいものとしてバリガムランクラブとしても一押しの演奏です。
 女流義太夫の竹本駒之助さんは女流でありながら名人といわれた竹本越路大夫の秘蔵子で、その語りは現在の最高峰といえる演奏家です。男性のみで演じられる文楽とは別の歴史をたどってきた女流義太夫ですが、近年では文楽人形の吉田文雀さんなどとも競演し素晴らしい浄瑠璃の世界を聞かせています。
 この「堀川猿廻しの段」は昨年7月の定期公演のライブ録音で、音楽的にも変化に富んだもの。70分を超える長い演目ですが近年の駒之助さんの演奏の中でも特に素晴らしくCDで発売が決定しました。歌・台詞・節の使い分けや言葉の明瞭さは駒之助さんならでは。細かい部分まで神経の行き渡った芸は全ての芸能に通じる重要な要素です。興味のある方は是非聴き込んでみて欲しい1枚です。

「近頃河原の達引 堀川猿廻しの段」
【演奏】
浄瑠璃:竹本駒之助
三味線:鶴澤津賀寿
ツレ弾:鶴澤 寛也
NARP-8004 定価2,940円(税込)
6月25日 日本アコースティックレコーズより発売