(一社)義太夫協会発行CD
人間国宝鶴澤友路百歳祝賀記念CD

心中紙屋治兵衛 河庄の段

2012年12月
義太夫協会より発売

昭和61年1月27日
国立演芸場
「義太夫劇起死回生の恩人 近松半二名作集」
より

「河庄の段」
浄瑠璃:竹本土佐廣
三味線:鶴澤友路

定価2,100円(税込)
〈税抜価格2,000円〉
SBKC-003

義太夫協会保存音源の復刻CD第一弾!
九十年を越える芸歴を持つ"生涯現役"の三味線奏者鶴澤友路
1986年国立演芸場 竹本土佐廣との「河庄の段」が待望のCD化!

〈人間国宝が企画した人間国宝のCD化〉
 3年前からSEIBI工房が行ってきた義太夫協会保存音源のデジタル化。その中からこの12月に義太夫協会から遂にCDとして発売することとなった初の1枚である。
 2012年12月、数えで百歳を迎える生涯現役の三味線奏者、人間国宝鶴澤友路師は人形浄瑠璃発祥の地である淡路島在住の女流義太夫きっての三味線弾きである。その百歳のお祝いとして現在もう一人の女流義太夫の人間国宝である竹本駒之助師の発案で実現したのが今回の「河庄の段」のCD化であった。
 昭和61年の正月に国立演芸場で演奏されたこの「河庄の段」は、女流義太夫初の人間国宝故竹本土佐廣の要請によって、それまで友路師が舞台にかけたことのなかった「河庄」を演奏した初舞台という記念すべき演奏でもある。
 これぞ正に人間国宝が企画した人間国宝のCDである。

 これまでデジタル化した音源の多くは昭和40年代のものが多いが、この録音は復刻したオープンテープ音源の中では最も新しいものということもあって、テープの保存状態・録音状態ともに良いものである。オリジナルのテープは会場での記録録音で、7号リール19cm/secのフルトラックモノラル×2本によって記録されていた。しかも途中オーバーラップして記録されていたためテープ交換での中抜けもなく、約42分の「河庄の段」を丸々聞くことが出来る。
 浄瑠璃の竹本土佐廣師は先にも述べたように女流義太夫初の人間国宝となった実力派。晩年の録音ではあるがその語りは実に力強く、最も脂ののりきっていた時期の友路師の三味線も、その土佐廣師をして1回の弾き合わせで満足させたという逸話も残っているほどの演奏だけに会心の出来である。

 義太夫協会が保存してきた多くの録音は、こちら(リスト1リスト2)でご覧頂けるが、これらの音源は現在全てデジタル化され協会にCDRで保存されている。また、昭和40年代は女流義太夫にとっても戦後の黄金期でもあり、往年の名人たちの演奏がこれだけ多く残されていることは奇跡に近い。また今回のCDによってこのような録音が現在再び聞くことが出来るのも、義太夫協会がこれらの録音を保存してきた大きな功績といえる。

 今後なにかの機会にこれらの貴重な音源を多くの方々にも聞いて頂けるチャンスが訪れることを願っている。

企画:竹本駒之助
発行:
(一社)義太夫協会
監修・解説:水野悠子
制作:SEIBI工房(鳥居 誠、大森美樹)

このCDのお申し込み・お問い合わせ
一般社団法人 義太夫協会
電話:03-3541-5471
email: am-giday@gidayu.or.jp