バナナ雑学  

 

目次

万国共通?のバナナ* バナナ科バナナ属?ルーツと伝播今夜の主食もバナナ揚げバナナ2人前レシピお庭でバナナバナナの栄養残らず利用のバナナ冬バナナバナナ大食い

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万国共通?のバナナ

   野菜や果物。日本国内でも海外でも土地が変われば、その土地土地の品種というものがあります。例えば、京人参。その名の通り京都の人参ですが、とても赤くて細くて、オレンジ色で寸胴の人参とは随分違います。海外でも見慣れぬ野菜をたくさん見かけます。見慣れぬ産物に出会うには地元のスーパーが一番。つい足を運んでは「へー、こんなもんがあるんだー」と感激するのですが、バナナだけは大抵いつものバナナなのです。それは地球上での生産地が限られているから、生産現地以外で口にするバナナは万国共通に限りなく近いと言えます。出所が同じであれば、どこに行ってもやっぱり「あのバナナ」なのです。現地以外で・・・と敢えて書いたのは、現地には現地にしかないバナナが存在するからです。なんで海外にはないの?と疑問に思えますが、輸送が不可能だからとのこと・・・。

  さて、そんなバナナについて多方面からスポットをあてて、その偉大さを再認識したいと思います。

『 バナナ科バナナ属?ルーツと伝播

  植物学的にいうとバショウ科バショウ属になります。バショウというと水バショウとかあれですか???似てもにつきません。大きさも全く違う。バショウ科についてはまたの機会に学習するとして、バナナの栽培品種のルーツはムサ節に属するMusa acuminata(AAゲノム)とM.balbisiana(BBゲノム)だそうです。なんだか難しい名前ですねぇ。簡単に言うと、原始時代のAちゃんとBちゃんが「世界初のバナナ」として認定された訳です。しかしここでのポイントですが、現在生食用の貿易品種はすべてAちゃん系なのです。そもそも原産地はマレー半島ですが、栽培の歴史はきわめて古い「紀元前5000年以上」と言われています。バナナってみかけから最近できたものと思っていたのに、こんなに歴史が古いんですね。おそるべしバナナ!侮るなかれバナナ!
  マレー半島からやがて、インドシナ半島やインド、マレーシア地域から太平洋諸島へとバナナは伝播し、その過程で先ほどのルーツBちゃんと交雑があって多様な栽培品種群を確立していったのです。 まるで意志有るがごとく世界に広まったバナナですが、インドネシア移民による功績を忘れてはなりません。彼らによって直接アフリカへと渡り、そして太平洋上では島々を東へ東へと伝播していったのです。そして新大陸へいよいよ南国産物として上陸を果たしたのは、コロンブスの大陸発見後のようですから起源から考えると長い長い旅路だったのですね。輸送すらもままならない時代ですし、バナナは熱帯、亜熱帯の無霜地域でしか栽培できないので大変な珍品であったに違いありません。ちなみに、日本へは台湾を経て20世紀初期に導入されたようです。日本人にとってはバナナはさほど古い果実と思えないのも当然ですね。

今夜の主食もバナナ

   果物と言うと、リンゴ、バナナ、ミカンなど色々ありますが世界中で一番の生産量を誇る果物はブドウだそうです。最近ではワインブームなんて言われてますが、生で食べるほかにお菓子にお酒にジュースにと用途も幅広そうです。でも、ちょっと以外な気もします。第2位は柑橘類。柑橘類と言うととっても種類があるので上位を占めるのも納得。なるほどねぇ。生産地域限定のバナナが上位に食い込めるか心配ですが、なんと大健闘の第3位です!(^。^)
   そんなバナナですが、熱帯地域では当然重要な作物のひとつで、商業用の栽培の他に東南アジア諸国の農村では、ほとんどすべての家のキッチンガーデンでバナナを栽培しているようです。一般にバナナは受精なく果実が発育肥大したもの(単為結果性)が出回っています。皆さんは種有りバナナなんてあまり馴染みがないと思います。スイカやブドウにも種有りや種無しがあるように、バナナにも種有り&無しがあります。この種なしバナナには生で果物として食べるものの他にデンプン質たっぷりの料理用バナナの2種類があります。日本でデンプン質といえば、お米が浮かびますが、熱帯地域の一部では日本のお米と同じようにバナナを主食としています。火を通したバナナの他におかず少々といった食事でしょうか?生食用のバナナは主に欧米、日本等の温帯地域の人々用と言っても過言ではないでしょう。輸送可能なバナナが選抜されて私たちに届くのです。昔は海上輸送に頼っていたので種類も限られていましたが最近では一部空輸されているせいか、見慣れないバナナも都心の店頭に並ぶことがあるようです。しかしお値段は「空輸」価格のようで・・・。

揚げバナナ2人前レシピ

今回はタイの定番料理揚げバナナのを紹介します。

*材料*
かためのバナナ3本(本当はタイの街中で売っているような小さくて歯ごたえのある甘いバナナが最適です。)*ココナッツパウダー20g*お湯 1/4cup*上新粉1/4cup*砂糖 大さじ3*煎り白ごま 大さじ1*塩 少々*あればバニラエッセンス少々*揚げ用サラダ油

@ココナッツパウダーをお湯で溶かす。
A器に上新粉、砂糖、煎り白ごま、塩と@を混ぜる。あればバニラエッセンスを2〜3滴入れる。
B食べやすい大きさにバナナを切る。(縦半分に切り、さらに適当な長さに切る)
CAをバナナにたっぷり付けて中温の油できつね色に揚げる。

さくさくとしたココナッツ風味の衣とバナナが不思議なほどベリーマッチな一品です。バナナは固めを使用するのがポイントです。トムヤンクンと合せれば気分はすっかりエスニック!最近は固形のお手軽トムヤンクンの素も出ているようで、味もインスタントな割にイケてます。ぜひお試しを!

お庭でバナナ

    バナナは日本の家庭菜園で栽培出来るのかな?そういえば、庭先にバナナの木がある家を知ってますが、実が付いている所はお目にかかったことがないなぁ。そもそも熱帯気候でないと育たないものなのでしょうか?
   バナナを栽培するに適した条件は、熱帯、亜熱帯の無霜地帯で、気温16度〜32度が理想です。沖縄や小笠原では育てられそうとおもいきや、実の収穫の為には常に25度以上の平均気温が必要。日本での収穫は難しいということになります。さらに、雑草のごとく力強く育ちそうなイデタチとは裏腹に水分調整が難しいようです。排水良好であることが基本で、その上生育期間中はたっぷりの水を必要とするので、雨季と乾季のある地方では、潅水施設を設けています。さら倒伏しやすい、葉に害を受けやすい・・・とバナナ様はデリケートな一面も持ち、強風が吹き込まない立地条件を必要とします。こりゃ家庭栽培なんてとてもムリですね。バナナの草丈は3m〜10mに達する為、ハーブをベランダで栽培するのとは、ちと訳が違う。もし温室栽培し、それなりの管理をすれば家庭栽培も夢ではないけど、高さ10mの巨大ビニールハウスはむちゃくちゃお金がかかりそう!やっぱりお店で買うのが安上がりですね。どうしてもバナナを幹ごと鑑賞したかったら南国系植物園に行くしかないでしょう。

バナナの栄養

   バナナは高カロリー食品で、消化もいいことからスポーツ前にはお勧めの一品(一本)です。では、どんな成分が含まれているかというと、水分70%で炭水化物(糖質)が、大部分を占めています。脂質やタンパク質が少ないものの、スポーツ前に速効活力となるのは、糖質の炭水化物のおかげです。ビタミンも含むバナナは、以外と健康食と言えるでしょう。ただし、果肉1gにつき、1カロリーなので食べ過ぎは禁物です。太ってしまいます。私たちは大抵、生で食べることが多いですが、干しバナナは、ビタミンCの値こそゼロになってしまうものの、その他の栄養価はぐんと増えるので、機会があればぜひ乾燥させた干しバナナにも挑戦してみて下さい。干しバナナは、その名の通り、熟したバナナをそのまま天日干しにし、果実が縮んだ時に皮を剥いて、さらに天日で乾燥して作ります。ただし、作り方を誤ると、ただただ、悪臭を放つショウジョウバエの餌となるので要注意です。この干しバナナはイチジクに似ていることからバナナ・フィグ(banana・fig)と呼ばれているようです。バナナの栄養価も捨てたもんじゃありません。通年手に入る果物ですが、出回り最盛期は4月から6月の3ケ月間だそうです。この時季は安く手に入るかもしれません。今日はぶつ切りバナナに冷えたヨーグルトをかけて美味しいデザートを作ってみよう!

バナナの利用法sr_bn_m1.gif (1222 バイト)

   私たちが普段口にするのは、ほとんどが生バナナですが、世界中で生産されるバナナの約半分は料理用バナナです。前に書いた「主食」としての作物です。ちょうど日本でいうところの「イモ類」。ですから、その料理法も蒸す、焼く、揚げるなど多種多様です。また、果実を細切りにして乾燥した後、粉末にして小麦粉の増量剤にしたり、乳児食に用いることもあるようです。
先日、バナナ酒を見つけたのですがバナナにはイースト菌が含まれているので、果実を発酵させて、バナナビールやバナナウィスキーなるものまであるようです。私が見たのは、小ビンに入った料理用スピリッツだったのでバナナビールがどんな味なのか非常に興味があります。甘苦い味なのでしょうか?
   次回はバナナの実以外の利用法を御紹介します。

『残らず利用のバナナ』

   バナナは実だけでなく、その利用法は幅広いようです。例えば実になる前の花(花序)は、そのまま生野菜として用いたり、乾燥させて乾燥野菜や下剤として用いたりできます。実際は実を取る為の植物として栽培されているバナナも実が付く前に花を利用することもあるのです。下剤の役目は実になってからでは発揮されないのでしょうか?これはぜひ今後調べてみたいと思います。
  花の他に、葉は包装に使われます。肉や魚を蒸焼きにす時、包んで火の中に入れたり、石焼きにしたりします。デンプン質の食物を料理する時にもバナナの葉で包むことがあります。この調理方法は世界各地で一般に利用されていて、その葉までも、こうして利用されているのです。葉のその他の利用法としては、繊維を採って布などを織るのに用いられたり、野生のバナナの葉や茎をインドネシア南部トラジャ村では、ブタの飼料として利用しているようです。飼料としては地下茎までも煮沸して使われ、人間が服用すると解熱剤としても効果も発揮します。え?ということは家畜は解熱剤を食べているってこと??
このようにバナナは幅広く利用でき、調理に薬に飼料に大活躍です。そんな私は今日もバナナを手にバナナ雑学を更新したのでありました。

冬バナナ

冬の庭先に「おや?バナナ」と思われる木を発見!見た目にはバナナなんですが、これが、本当は「ばしょう」であることがしばしば。ばしょうといっても、種類は様々ですが、この雑学の頭でもバナナはバショウ科という話を書きました。バナナは寒いところが苦手。だから、冷蔵庫にいれると真っ黒になってしまいます。かぜひきバナナという正式名称があるようですが、バナナは寒さに弱いので、間違っても冷蔵庫や冷凍庫には入れないでください。風邪ひいちゃいます。常温で黒い斑点が少し出てきた時が食べときです。固めが好きな人、完熟が好きな人、色々ですが、この斑点である程度、完熟度を見極める事ができます。
そういえば、先日知ったのですが、日本にバナナが収穫できる所があります。沖縄のさらに南の島で、収穫できるようなのです。情報を仕入次第、紹介したいと思います。

new_02.gif (951 バイト)バナナ大食い

青いうちにバナナを買って少し黄色が増してきて、さらに黒い小さな点が現れたら、その時が一番糖度が高い時です。黒い点は「スイートスポット」と呼ばれ甘さの最高潮を教えてくれます。完熟より少し前の味が好きなら黒い点が出る前に、少し柔らかいくらいに熟したものが好きなら、黒い点が沢山現れたら時に。それぞれ好みの味でバナナを楽しむバロメータとして黒い点は役に立ちます。けれどバナナは一度に熟し始めるので、自分の好みの味の時にはたくさん食べてしまいます。それが過ぎると妙にバナナに対して冷めてしまう私です。残されたバナナは黒い点が一面に広がりやがてヨーグルトと混ぜられて私の口に入るのです。バナナを時差式に熟す方法。あればいいですけど・・・。前に冷蔵庫に入れてみたら、あっという間に真っ黒になってしまいました。南国育ちのバナナにはちょっと寒すぎて風邪をひいてしまったみたいでした。なにはともあれ、自分の好きな味と硬さを追求するなら、「今だ!!」と思ったら吉日、一気に食べましょう。

 

バナナのはっぱ
バナナの葉G野生のバナナの葉は長さ5mを超えるものもあります。