トルコ、台湾両大地震災害救済募金活動に関しての報告



 ユーラシア大陸の東端のトルコ共和国に於いて、去る8月17日に大地震が発生しました。その悲惨な様子は、連日マスコミで流され、阪神大震災の記憶を思い起こさせました。
 日本からも330-A地区ガバナーの見上良也Lをはじめ、諸機関から数多くの救援隊が派遣され現地にて活躍していました。私ども鳥越ライオンズクラブも、ゾーンチェアマンより「被災民に対してのプレハブ住宅、子供たちの為のメンタル・ケア・リハビリテーションセンター建設等の為の募金活動をして欲しい。」との要請を受けました。災害による不幸な住民を救済することは、ライオンズの奉仕の精神と合致することでもあり、さっそく募金活動の準備にかかりました。
 まず、場所の確保の為、JR上野広小路口の使用許可を得るべくさっそく上野駅を尋ねました。そこで募金活動の主旨や実施日時、それに主催団体、参加人数など基本事項を申し上げました。しかし、さまざまな理由でなかなか許可がおりません。他のライオンズクラブも努力をしたがやはり同じく不許可となっているということでした。しかし、幾度も足を運び、誠意を込めて懇願し、さらにはゾーンチェアマンと一緒に訪問するなどして、やっと場所使用の許可を受けることが出来ました。
 次は、募金参加人数の確保です。さっそく全メンバーにFAXにて緊急連絡ということで当日の出席を呼び掛けました。
 実施日の9月12日は、残暑厳しく、気温は34.5度もありました。大きな声を張り上げ一人一人に心を込めて呼び掛ける岩丸L.、80才近い大場L.、尾崎L.などはベニヤの掲示板にトルコの悲惨な現状の写真を貼って持ってきて頂きました。こうした努力により、約68,000円の浄金が集まり、さっそく指定の口座に振込ませて頂きました。


 次いで、10月3日、台湾の大地震に対する募金活動も、同じくJR上野広小路口にて行いました。トルコの地震の余波も治まらない9月21日、台湾にて大地震が発生したからです。330-A地区に於いても、ガバナーの緊急要請により、支援の街頭募金キャンペーンを行う運びとなり、私ども鳥越ライオンズクラブも「緊急、台湾大地震救援募金に対するご協力のお願い」の文書をクラブの全メンバーにFAXさせて頂きました。
 当日は午前10時から12時、午後1時から3時まで飛翔ライオンズクラブとともに行いましたところ、国境や民族や言語を越えて、愛の手をさしのべる私達の行動が、多くの人々の共感を呼び、当日は約27万円の支援金が集まりました。
 私自身、今まで幾度となくこうした募金活動に参加してきましたが、今回は特に学ぶべき点が多くありました。
 東洋の古典に「人の為に灯りをともせば、我が眼前も明るくなるが如く、他人の為の行いは、即、我が身にその福徳は返る」とありますが、募金を通してこの言葉が実感として理解できました。人間の真の価値は社会的な地位や名誉ではなく、その人の生命に奥底の心の傾向性にあるということを痛感できたのです。
 身体障害者の方が、心を込めて寄付してくれました。子供連れの母親が、幼子にお金を持たせて入れさせます。遠く四国から来たライオンズの同志が駆け寄ってきてくれました。とても協力する姿勢など持ち合わせていないと思われた金髪の若者どうしが「オイ、みんなで金だせや。」といって仲間たちの薄いサイフやポケットの片隅からなけなしのお金を出してくれました。
 それに対して、金も地位も名誉もそなえた紳士の多くは知らんぷりをして足早に通り過ぎてゆきました。このように、この募金活動を通して、さまざまな人間模様を直接に見ることができ、人の心の裏表を我が心の琴線で知ることができるという、私自身何物にも替え難い尊き貴重な体験をさせて頂きました。
 次回の募金活動に於いては、メンバーのより多くの参加を心より期待いたし、トルコ・台湾大地震の報告と致します。
 最後に、今回の募金にご協力頂きました全ての皆様に厚く御礼申し上げます。
 また、トルコ・台湾大地震で被災された皆様に心から御見舞い申し上げます。
(文責:会長 L.福田 光明)
注・この募金活動が行われた当時会長