「第2回 11月 2日(土)午後1時30分〜4時30分
テーマ:酸性雨の発生源と石炭火力発電所計画
講 師:伊瀬洋昭(酸性雨調査研究会 事務局長)
鈴木光弘(北茨城石炭火力発電所を考える市民連絡会議 事務局長)」
第2講座に行ってきました。今回もあまり集まりはよくないですが、10名前
後は来てます。初めに、鈴木光弘氏の講演ですが、本業は原子力発電所に
お勤めとの事で、研究員はアフターとして活動されているそうです。
今回は、テーマの通りに、酸性雨と石炭火力発電所。日本全国で現在59基
の石炭火力発電所を作る予定です(一部は完成済み)。全体で4134万KWの発
電所の意味は、あくまでも経済界の意向と無理な経済成長率の目標(年3.4
%)として、エネルギー需要を決めてからの建設な為に、今更、石炭火力発
電所をバンバン作るとの話。
で作っても、運転調整をして、半分だけ動かすなんて事するそうです。そ
れもCO2の排出基準を、今よりも下げる目標の為に。これを計画した役人も
矛盾だらけな、「電力供給目標」や「平均設備利用率」はどこかしら破綻
するとのコメントを出しているそうで、破綻する目標を設定する神経が・・。
めずらしい話として、オリノコ油を使った発電所なんてのも作るらしく、
真面目に取り組んでいるんでしょうか?
鈴木光弘氏のお話をまとめると「今ままで見過ごされてきた、フッ化物や重
金属類で水銀などが、たとえ脱硫装置を付けても6割は大気中に、放出されて
しまい、このまま石炭火力発電所を作り続けると酸性雨の問題は深刻になる」
との御意見です。また、1ppb(1/1000ppm)でもフッ化水素にさらされた、スギ
は被害が出るとの事で、非常に微量でも危ない話です。(ちなみに人間だと3
ppm)
伊瀬洋昭氏のお話はちょっと資料を引用します。
「永続可能な社会に向けて酸性雨問題をどう取り組むか(96/11/2)
1.雨水から永続可能な社会を考える
(略)
酸性雨:大気中の反応で酸性になる二酸化硫黄や窒素酸化物、酸性物質
の人為的な放出が原因
きれいな恵みの雨を取り戻す事は、永続可能な社会の必須条件
2.全国酸性雨・降下物調査結果から
全国的な規模で酸性雨にみまわれていることがわかった。
大都市圏や工業地帯およびその周辺では自動車や工場などの国内発生源
の寄与,雨水や降下物の成分から、諸外国に比べると、窒素酸化物の寄
与が大きく、イオウ酸化物も国内発生源との関連が見られる地点が少な
くなかった。フッ化物イオンは石炭火力発電所などの特定の発生源との
関連を検討するのに有用である事がわかった。
3.今年の調査結果中間報告から一雨の分析結果から何が読み取れるのか
(略)
陰イオン成分
F− :フッ化物イオン:主に石炭燃焼や窯業から排出
Cl− :塩化物イオン :主に海塩粒子や清掃工場排ガスから
NO3−:硝酸イオン :主に燃焼に伴い排出する(自動車,工場,発電所)
SO4−:硫酸イオン :主に燃料中の硫黄分から(発電所,工場,ディー
ゼル排気)
4.大気の酸性かをどう防ぐにはどうしたら良いか
原因物質(窒素酸化物、硫黄酸化物、フッ化水素、塩化水素等)の発生を
抑える事、国内発生源の寄与を甘くみてはいけない。
大陸から飛来する硫黄酸化物の対策も重要だが、国内発生源規制の強化
酸性化防止の観点から硫黄酸化物、窒素酸化物の発生源規制の強化
緩い排出規制の強化、総量規制の導入、清浄地域における石炭火力発電
計画、自動車走行量抑制、ディーゼル車増加傾向の阻止」
都内では、硫黄酸化物の総排出量の1/2が車のディーゼル排気だそうで、前回の
話にも合った、数年前に比べると2倍近く台数が増えた、このディーゼル乗用車
を、なんとかするべきであるとの、意見が強かった。
発電所の話に戻りますが業界も政府も、コストがかかる、新エネルギー開発に
は難色というか、やる気がないようで、是非、民意としてエネルギー問題を盛
り上げないと、大気という人間が今、吸っているこの空気に毒が交ざる話とな
るわけで関心を持ち、政治家に圧力でもかけないと・・・。
事前に取材の許可は取っています。
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