大気汚染連続市民講座(その3)(96/11/16)
汚染>大気汚染連続市民講座(その3) 「3回 11月16日(土)午後1時30分〜4時30分 テーマ:地球温暖化とわれわれの生活 講 師:増田善信(元気象研究所研究室長・理学博士)」 第3講座に行ってきました。今回は今まで一番人数が多く20名近く集まって ます。地球温暖化と言う事で温室効果と気候変動を中心に、電算シュミレー ションの予測図も交えての、未来の状況をお話して貰いました。 温室効果による海面上昇はCO2が500ppmを越えた時点で最大60cmの上昇を試算 しています。これは大気の平均温度だけでは無く、海の温度も上昇する事で 海自身が膨張する事により海面が持ち上がるわけで、南極等の極地の氷が溶 けて洪水とかの話では無いそうで、あー素人はあそこのあたりの氷が溶ける もんだとばかり思ってた。それでも60cmだろうと海面が上がれば湾岸施設や 橋等にも影響は出ます、これも推定72兆円資産が水没する。海は深くなるほ ど水温の変化は少ないですが、海面温度上昇で200m〜1000m付近までは変化 をする事を危惧しています、さすがに深海レベルだと海の循環は千年単位だ そうですが。 それ以外にも、気候変動により、耕作地帯の旱魃や砂漠化、生態系への影響 (いきなり高温多湿になったり乾燥されたりすると、地元の動植物に影響が もろに出る、へたすると絶滅)など、決して生活に影響が少ないない状態と なるわけです。 とにかくCO2などの温暖化を抑制する為には(1)CO2の排出量を抑制(2)省エネ の徹底(3)代替エネルギーの開発を推進する事をすすめています。増田先生 は御自宅で太陽発電のパネルを政府の補助金で取りつける程に熱心で、900 万円(出費は433万円)で屋根に設置しているそうです。また先生は,風力発 電にも興味を示されていますが、大きなプロペラは回転音も大きく近所に迷 惑になる、そこで小さなプロペラで並列につないで、電圧を上げる装置の方 が、住宅地には適していると実体験も語られています。 私は原子力発電の事も聞いてみましたが、少なくとも廃棄物の処理方法が確 立されていないものは、使用すべきでは無い。どうしても使うならば半減期 が短い例えばヨウド138などを使用する方法も考えるべきとのお話です。(プ ルトニウムを処理しても、もっと危険なアメリシウムが生成される話も合っ た)、もう一つは、水素自動車等の水素を有効に使う事を考えるべきだと。 技術的には問題もなく、どこで方針を決定するのかを決めるだけとも話され ていました。これは、太陽電池とからめて水を電気分解をして水素を取り出 す、完全なクリーンエネルギーの世界ですね。 もう一つは米国などの比較的にエネルギー使用の無駄が多い国が、まず日本 レベルまで省エネすれば結構変わる。93年度のCO2排出量で米国が世界の1/4 を排出、旧ソ連が約13%、中国が約12%、日本が約5%。日本を除いてもこの大 国が何らかの省エネを推進できれば、排出量を抑制に貢献できるのでしょう が、果たしてそれが出来るのかは不明。火力発電の効率化もすすめてました。 さて、次回で終了です。11/30の"暮らしと自然を守る「環境アセスメント」" 結局4回、全部に行く事になるな。