毒ガス展(97/3/29)


■3月29日(木)

●毒ガス展
[3/25(火)-3/31(月)] 中野ゼロ西館ギャラリー
毒ガス展 9時30分〜19時(31日は16時まで)、東京都・中野ゼロギャラリー
1,2階(中野駅)。五〇〇円(高校生三〇〇円)。

毒ガス


3/31まで東京の中野のスタジオゼロで、毒ガス展示をしてます。 ついでに見てきました。きい剤などのイペリットを使用した実戦 結果の報告が「支那事変ニ於ケル化学戦例証集」(1942年陸軍習 志野学校作成)があり、実際に使用された資料も残っています。 また毒ガス戦闘は秘密保持の為に隠す指令も出ていたそうです。 (「毒ガス展」化学兵器の歴史と廃絶への道から引用/P.10)

また戦後、中国での工事中に、毒ガスを発見し誤ってガスを飛散 させ、被害者が出た写真も展示されていて、足指が無くなってい る写真なども展示されています。

又、毒ガス資料の上映会も午後に行われていました。 中野駅から新宿方面に線路沿いに歩いて7分ほどの場所にあります。 展示は2Fですが、場所がやや判りにくいので注意。

この展示も終わってますが、貴重な写真が展示されていて価値が高 いものでした。
[ NEWS 4387 of 4403 ]
Title: 「毒ガス展」始まる 旧陸軍兵らの証言会も−−中区 /広島
Bytes: 1187 Date: 1996/12/18 17:58

 旧日本陸軍による中国での毒ガス戦の実態などを展示・解説する「毒ガス展」(佐古琢 也実行委員長)が17日、広島市中区の県民文化センターで開幕した。佐古代表は「日本 人が多くのアジアの人々を痛めつけた。一つの例がこの展示に見られる歴史。市民として 何をすべきかという課題が、ここから生まれてくる気がする」と話している。23日まで 。
 毒ガス戦、被害、戦後裁判の経過、化学兵器廃絶への世界の取り組みなどを、歴史的な 経緯に沿って写真や図入りのパネル約100枚で解説。防毒マスク・服や容器、救急箱な どの実物や、人体実験の様子を描いた模型なども展示している。
 村上初一・毒ガス島歴史研究所代表や、小笠原明・元731部隊少年兵ら、毒ガスの製 造、使用、研究に携わった人たちが会期中の午後1時と同6時に証言会を開く。日によっ ては会場で質問にも答える。
 村上さんは「広島の地で被害・加害の両面から歴史を直視しなければならない」。小笠 原さんは「ペスト菌爆弾を製造するための菌の増殖と、人体実験に使われた人のカルテを 管理した。実態を語りたい」と話している。
 入場料は一般500円、中高生300円、小学生以下無料。期間中は無休で、午前10 時開場。終了は、20日まで午後7時、21、22両日は午後8時、23日は午後4時。 問い合わせは平和教育研究所内の実行委(082・264・1751)へ。
(毎日新聞広島版から)

◆000001 (19970209T07SP0002) 【一筆多論】客員論説委員 岡芳輝 化学弾の処理なぜ急ぐ
97.02.09 朝刊 7頁箱もの (全2087字)
 中国にある旧日本軍化学弾の処理問題は、三月中にも日中共同作業グループを設け て、具体的な処理作業を協議するなど、急速に進みはじめている。しかし、この問題 については、いぜん明確にされないまま残されている点もいくつかある。化学弾処理 は、経費が一兆円にもなろうという戦後日中間の大プロジェクトである。筋のとおっ たプログラムづくりが望まれる。  この問題を考えるにあたって、行く手に立ち塞がる大きな壁は、処理作業が、四月 にも発効する化学兵器禁止条約に基づいて行われるのか、それとも戦後処理の一環と して作業を進めるのか、いちばん基本的なスタートがぼやけているところにある。  外務省は、当初、禁止条約にもとづいて処理するといっていた。それが、最近は戦 後処理にウエイトがかかり、戦後処理で始めて、しだいに条約に収斂していく、とい ったいいかたもしている。  化学弾の処理問題は、禁止条約とともにクローズアップされてきたのだから、本来 は条約に基づいて作業が運ばれるのが筋である。条約では相手国の同意をえないで遺 棄してきた化学兵器は、遺棄した国が廃棄しなければならない、と規定している。と ころが、問題が二つある。第一は、廃棄の義務は、双方が条約を批准してはじめて成 り立つのに、中国はいまだに批准していない(日本は批准ずみ)。条約発効までには 批准して原加盟国になるとはいっているが、確証はない。  第二は「相手国の同意をえないで遺棄した」というくだりである。日本は、完全な る武装解除を求めたポツダム宣言を受諾して降伏した。降伏にあたっては、旧満州と 万里の長城以北にいた日本軍はソ連軍に、その他の中国国内にいたものは中国軍に降 伏し、武器弾薬を差し出せ、というのが大本営命令だった。これをもって、武器弾薬 の所有権はソ連、もしくは中国に移っていたはずである。旧満州の化学弾が遺棄され たものだとしたら、遺棄したのは日本軍ではなく、ソ連軍なのである。  この点について、外務省は、日本軍は邦人すら見捨てて逃げたのだから、置き去り にされた化学弾などは遺棄とみなされる。正式に武装解除されたという証拠もない。 また、仮にいったん差し出したものであっても、連合国側にはサンフランシスコ平和 条約の趣旨に従って“処分権”がある、といっている。  もちろん、置き去りにされた日本軍の武器弾薬もあったにちがいない。しかし、ポ ツダム宣言を日本が受諾して降伏した以上は、包括的な武装解除が行われたと考える のが普通である。これこそ禁止条約にいう“同意”であり、ポツダム宣言そのものが 武装解除の証拠になるだろう。  また確かに、平和条約第一四条2の(1)には日本の財産などを差し押さえ、留置 し、その他なんらかの方法で処分する権利を連合国は有する、とある。しかし、では なぜ中国は、戦後五十年たったいまになって、化学弾処理を日本に求めるのか。化学 弾などが中国にとって不都合なものなら、平和条約が結ばれた昭和二十七年に、わが 国に化学弾を引き取れといえばよかったはずである。にもかかわらず放置されたのは、 内戦などで使用する可能性を考えたからだと思われる(実際中国軍に組み入れられた 武器弾薬は多数あった)。  また、これまで外務省がいってきたように、大戦中に外国に残した負の遺産を早く 解消したい。だから戦後処理の一環として…というなら、混乱している従軍慰安婦問 題と同じ発想になってしまう。  論理的に詰めていけばいくほど、日本が化学弾を処理しなければならない根拠は薄 くなる。しかしながら、わが国政府は「化学弾処理問題には誠実に対処していく」と いってきた。また、現地で漏れ出た化学剤で、けが人が出ているのを「われわれの知 らぬこと」とばかりもいってはいられまい。百歩譲ってわが国が処理作業に当たると しても、それには条件がある。  まず、あくまでも条約義務の順守としての作業、という方向づけをはっきりさせる。 そもそもわが国が化学兵器禁止条約に加盟するのは、条約が義務づけている査察によ って加盟国から化学兵器が全廃され、それによってわが国の安全保障が保たれるから である。なかでも神経を尖らせてきたのは、中国の化学兵器である(中国は保有を否 定している)。査察によって中国から化学兵器が一掃されてこそ、こんご多大の努力 をともなう化学弾処理(経費だけで一兆円はかかるといわれる)が報いられるのであ る。  したがって処理作業は、中国の批准、査察の受け入れ程度との見合いで進められな ければならない。中国が査察にクレームをつけたり、渋ったりするなら、作業を中断 するほどの強い姿勢も欲しいところである。  さらには、投入される資金の流れに注目することである。新聞報道によれば、日中 両国政府は、処理作業に中国人民解放軍を正式参加させる方向で原則合意したという。 埋蔵されている化学弾の発掘や運搬にたずさわる解放軍兵士は無料奉仕するわけでは ない。労働力として正当な賃金が一括支払われるのだが、それが解放軍の近代化に貢 献し、回り回ってわが国の安全保障を脅かす愚は避けなければならないのである。 産業経済新聞社
毒ガス>産經新聞の「一筆多論」 Pagori

NIFで探せた。確かに筋は通ってるように見られる。読んで無い人向けに要約すると

1.化学兵器禁止条約は両国の批准で、初めて成り立つ。
2.日本軍は装備を解除されたのだから、弾薬他は戦勝国の管轄。
3.従軍慰安婦問題と同じに、戦後処理の面が強調されている。
4.処理作業に中国人民解放軍が動くが、彼らへの賃金で装備の近代化の恐れがある。

1.はまだ中国が批准してないけど、今年の4月に批准するかどうかを議論しても意味 は無いですし、2.は負けたから処理をしなくても良いなんて理屈も、法律上の是非 は置いといて(置いとくと怒るんだろうけど)解釈しだいだし、3.の戦後処理の問題 に結び付けてしまうのも、あまり公平でもないし、4.中国政府が解放軍に適正な賃 金を払う払わない話は、ここで議論するべき話でもない。(賃金が別途出るかどうか も知らないけど、自衛隊の派遣だと災害時には特別な給付金が出るのだろうか?)
遺棄の話に絞ると"他国領土に遺棄(放置)した同兵器についても触れ「締約国は他 の締約国の領土に遺棄したすべての化学兵器を条約の規定によって破壊する義務を 負う」"事が事実ならば、弾薬を棄てて逃げた兵隊や降伏してしまうような戦争を 起こした政府へのしわ寄せを半世紀後に突きつけられた結果ですから、まあここで 知らないよと逃げてしまう事は、外交上出来ないわけです。
掘り出した砲弾が、日本軍のもの以外であるならば、ロシアや中国にも処理場建設 の金を出してもらうとか(貰えるかどうか知らないが)、責任分担も有り得るだろう けど、過去の責任は取らされるという因果応報的なお話でしょうね。怨むんだった ら、当時の戦争を鼓舞してしまった世論や政府を怨むしか無いです。

back