いどばた会議(第10回)(97/5/22)


■5月22日(木)


日 時:平成9年5月22日(木)
場 所:神保町区民会館
時 間:06:30pm〜09:30pm
参加費:700円

主催:たんぽぽ舎

生越先生(中央)

いどばた会議(第10回) Pagori

毎度おなじみの集会情報です。今回は東京ドームに近い水道橋駅から歩いて 数分の神保町区民会館(新館だなぁ)で「いろりばた会議」参加してきまし た。今日のお題は「地震と原発」です。 使い古されていますが阪神大震災で落ちた高速道路から、耐震設計といえど も壊れる時には壊れます。設計時の基準以上に、力が加われば落ちるに決ま ってます。これも当たり前の話ですが、なかなか一般人には浸透してません。 (阪神高速がひっくりかえったイメージが強いですが、あれ以外でも座屈した り、せん断破壊をしたりする橋脚は多くて、その手の土木学会誌を見ると壊 れまくりの写真が載ってます) 同じように、原子力発電所でも基準以上の力が加われば壊れます。これも非常 に当たり前の話なんですが、実はここで他の構造物と違う側面がある。扱いが やっかいで危険で汚染が凄まじい、原子力発電所が壊れたらその被害は甚大。 その為の安全設計なのですが、実は落とし穴がある。 地盤調査が「いい加減」だったり「安全な方に捏造」したりする体質が、建設 する方にある。軟弱地盤でも平気で建造するその神経は、既に切れています。 そうゆう事で、地質学者の生越忠先生(地質学者)が指摘をする「地震の巣の上 に建つ東海原子力発電所」のお話や「直下型地震が原発をおそったら」と恐い テーマが続くと、その危険性を再認識できる。専門家が真剣に設計しているか ら、安心的な雰囲気を持つかもしれませんが、そうでもありません。その専門 性は、非常に限定された専門性であって、決してマクロ的などんな災害にも安 全であるなんて「神業」は存在しない。特に、地質学者から見た工学系の設計 思想が、信用できないとのお話も聞けました。 話がまた長くなりそうですが、とにかく東海原子力施設で事故れば、2〜3時 間で首都圏にその影響が出ます。決してどっかのよその地方の被害なんて、感 覚を持ってはいけない。あのチェルノブイリですらあんだけ騒ぎになったわけ ですから、その影響がどれだけ甚大なのかは想像すら出来ません。 また、火災事故後の現地での取材をした学生さんの報告で、地元ではこの手の 話はやはりタブー的というか「重い」との雰囲気を持ったそうです。地元の住 民は大半が原子力運用に関連しているらしく、現地からの声的なものがあまり 聞かれない話もあった。 #しかしこうやって聞いていると、その専門的だから安心なんて「神話」は非常 に幻想的な世界と感じる。



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