講演「弁護士として住民とともに ―北海道のナキウサギ訴訟をたたかう―」(97/09/06)


■9月06日(土)

講演「弁護士として住民とともに
 ―北海道のナキウサギ訴訟をたたかう―」

時間:18時30分〜20時30分
料金:無料
場所:東京都・伊藤真の司法試験塾東京校(渋谷駅)
内容: 講師・市川守弘
主催:伊藤真の司法試験塾


会場 大雪山国立公園に、自動車で10分間だけ短縮する為だけに「士幌高原道路計画」がある。 トンネルを22.5kmに渡って掘る事で、国立公園内の生態系を変化させる危険があるのに もかかわらずに、ほとんど意味の無い道路建設。そしてそこに生息する、 ナキウサギ(PIKA)「日本最大の風穴(累積風穴)」を、保全するために、 弁護士の市川守弘さんは、運動をされている。今回は、やはり元気になれる講演でした。 それに無料ですし。弁護士のタマゴが多いのか、ほとんどが学生風の若い男女で占められ てますが、100名近く集まってます。講演内容は、ナキウサギのビデオと市川さんの講演で 、ナキウサギの生態の話、地元での反応、生物多様性の話をたっぷりとして貰ってます。 その中で、地元の反応として、このトンネル計画が、引退した議員の「道路を通す」という 約束を守るために、行政が動いている話。北海道の「然別湖」の然別湖畔温泉には、既に道路 が通ってますが、この一本だけでは、事故などが起こった時に危険である、との主張。しかし もし事故などの緊急事態の場合は、より機動力のあるヘリポートなどの方が、意味があると 市川さんは主張します。この道路は、100億円〜300億円必要と言われていますが、然別湖畔温泉 の従業員は十数人、それだけのインフラ整備をするだけの、意味が果たしてあるのか?とも 主張されている。負担は結局、この地元の人にかかるわけですから。又、この「日本最大の風穴(累積風穴)」 の特殊性も保全する必要がありますし、生息しているナキウサギは、この累積風穴という 特殊な環境に生息している為に(低緯、標高800m付近)めずらしい環境で、めずらしい動物が 生き残っている。その下にトンネルを掘れば、水の循環が変化し、環境の変化は避けられない。 国立公園内にあまり意味の無いトンネルを掘る事を、やはり反対したいと思う。


back