少年司法シンポジウム「子供たちが本当のことを話すとき」 (97/09/20)


■9月20日(土)

少年司法シンポジウム「子供たちが本当のことを話すとき」
時間:午後1時30分〜
料金:無料
場所:霞ヶ関、弁護士会館
主催:子供の人権と少年法に関する特別委員会
内容:
第一部 「もがれた翼 PART4『凍てつく心』」
第二部 「パネルディスカッションと会場討論」

会場 少年司法シンポジウム「子供たちが本当のことを話すとき」Pagori
9/20(土)に、東京の弁護士会館で、少年法に関するシンポジウムがあったので 拝聴してきました。前半は「もがれた翼 PART4『凍てつく心』」という母親を 刺してしまった子供の裁判劇、後半は、ジャーナリストや家庭裁判所調査官を 招いたパネルディスカッション。 弁護士会館は、霞ヶ関のど真ん中にあるわけで、初めて入りましたが、小奇麗 で、会場も大き目。ざっと目算すると200名以上は参加していたようです。 パネリストの意見を聞いている限りは、現行の少年司法は、守るべきであり、 安易に改正をする方向を危惧しています。例として、米国の少年司法では、最 近の20年間は、更生ではなく厳罰主義に、傾いているそうですが、それでも犯 罪の低年齢化に歯止めとならず、抑止にもならないと語られていた。 米国の犯罪は、スラム(貧民層)の犯罪発生率が高く、厳罰だけでは根本的に は解決はしない。 では、日本で厳罰主義に傾くと、神戸の事件のような極端な犯罪が減るかと、 問われれば、難しいとも思える。よく週刊誌では、取り沙汰される、「マット 殺人事件」や「女子高校生監禁殺害事件」、今回の神戸殺人事件などが、事前 に計画立てて「殺人」行為をしたものと違い、結果として「被害者が死んだ」 とも、取れる。「マット殺人事件」の場合は、身動きできない状態で、人間を 逆さに長時間固定したら「死ぬ」という想像力を欠いたイジメだろうし、「女 子高校生監禁殺害事件」の場合は、被害者を計画的に誘拐はしたものの、最後 の方は「邪魔」になってモノ扱いをされて殺された話(少なくても、加害者の 少年には、誘拐という重罪を犯した罪の意識は無かった筈)、で今回の「神戸 殺人事件」の場合は、果たして「空想の神」を捏造する、あの少年に、一般の 刑罰を適用できるかも疑問でもある。(犯人とはまだ決定してないか) 一般人でも、激情で他者を殺す事件も多々あるわけで、その最中に、厳罰の抑 止効果があるのか?と問われれば、それも判断し難い。 今回のシンポジウムでは、少年司法は、やはり更生の道の為のものだし、その 理念を忘れてしまってはいけない、という結論だったように思える。で、最近 の若い人の話の中で「自己表現が出来ない」子供たちが増加しているとも聞け た。とにかく、自分の事を話せない、言語化できない中で「イラツク」子供た ち。そして、取り調べをする捜査官が、過酷ともいえる状況で、「自白」させ る話を聞くと、冤罪の心配の方が恐いとも、語られていた。


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