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実は毎日新聞ニュース速報で「<息吹>インドネシア・まじない療法 経済危
機で人気」(04/17 23:53)つう記事がありまして、そこで「パラノーマル」の
話が出ていた。インドネシアでは民間医療として「まじない」を使って病を治
す行為がまだ続いているんだ、とその時点では思っただけでしたが。
で今月のAPECの例会は「『伝統医療』の構築化における一考察−インドネシア
・バリ社会の事例より」というタイトルで、現地での調査による報告をしても
らいました。民間医療というと、日本では「鍼灸」「あんま」「接骨」という
パターンですが、いわゆる西洋医療よりもややランクが落とされているのが、
現状です。
インドネシアでは、逆に(政府の民間医療調査と関連して)いわゆる民間に医
療者と西洋医学の医療者とが共存をしている話を聞かせてもらった。
現地を調査された方はインドネシアのバリに行かれたわけですが、あくまでも
「バリ」という地域の特色として、民衆の人たちは現地の民間医療者を様々な
形で頼っているそうで、いわゆる普通の病院でも症状(?)によっては、民間医
療者を推薦するそうです。どんな症状の時に、紹介をするのかまでは、聞き損
ねましたが。
で、冒頭の「パラノーマル」というのは神秘的な力を持っている治療者のこと
で、日本でいうと「(透視などをする)占い師」に近いかもしれない。ちなみ
に同じインドネシアでもバリでは「バリアン」と呼ぶそうです。で質問をして
聞いてみたところ、どうも「パラノーマル」というのは、民衆のための治療者
というよりも、より金持ちのための(毎日新聞の記事では「特設コーナーのま
じない師に診てもらう「診察代」はわずか3万ルピア(約500円)と格安で
、週末は一日40〜50人が訪れ順番待ちの行列ができるほど。」)治療者の
ようで、バリの民間治療者である「バリアン」は、無料だったりかなり安かっ
たり(数百ルピア)または供物などで、すませる話もあります。
どうも毎日新聞の治療者の報酬は、かなり高いようです。
バリの民間治療者である「バリアン」は、治療というよりも「町のなんでも相
談屋」さんに近いとも思える、子供がわがまま過ぎるので「祈とう」で治療を
してもらったり、西洋医療の薬は非常に高いので、より安い「ロゴ」と呼ばれ
る漢方薬のようなものを処方してもらったり、と民衆により近い存在な感じも
する。
インドネシアでは、現地医療の再評価の動きがあったようで、それがちょうど
西洋医療の普及と重なっていたために、同時平行的に進んだようです。またW
HOでは、単に西洋医療の薬で治すことを押し付けるだけではまずいと考え、
現地の伝統医療を再評価する動きもあったそうで、その相乗効果で民間医療を
排他しない形になったようです。
よく考えると、日本でも「土地神」を鎮めるための「地鎮祭」をいまでもして
いますし、そうゆう意味では、神主と鍼灸師が合体したのが「バリアン」なの
かもしれない。
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