「アジア通貨・金融危機をどう見るか」 (98/07/15)


通貨危機の解明
時間:18:30〜21:00
場所:シニアワーク東京
料金:700円
主催:国連・憲法問題研究会
インドネシアの5月暴動はもう有名な話なのでしょうが、その原因となると、 経済の専門家でも定説としてはまとめにくいようです。 7/15に飯田橋のシニアワーク東京で「アジア通貨・金融危機をどう見るか」と 題して東京経済大学の平川均さんを講師にお話を聞いてきましたが、基本的に 専門家の間でも論争があるようで、原因究明は難しい感じもする。 ただ、私が他の講演や人づてで聞いたお話の中には、日本のバブル崩壊と同じ で見せかけの繁栄が崩れた話。 今回のお話や資料でもそれに触れられています、がそれよりもタイで発生した 通貨危機が、すぐに隣国に波及して香港に波及して、韓国にも波及するのは、 従来の経済体制では考えられないほど早い、そのために現在の状況は従来あっ たような、政治や経済の問題から発生したのではないとの意見も語られていた。 どちらにしろ、「なにか雰囲気」だけで通貨の下落が起きて、地元の人達が悲 惨な状況になる。変動率が激し過ぎる。前に、米国のブラックマンデーの時も コンピューターで、自動的に株価の下落を察知したルーチンが、際限なく下げ 続けて大暴落を起こした話もありますが、今回のアジア通貨危機も、少々アジ アの輸出が落ちた程度でいきなり、経済危機から金融危機に拡大していく状況 が語られています、これも非常に「敏感」に反応し過ぎる。 講演の中では、アジア型の発展が悪いのでは?とも語られる状況に、いやそう ではないのでは?と疑問も提示されています。 アジア型の発展は、技術革新で起きた西洋型の発展の方法ではなく、単に世界 からの「投資」が大きいので、それに見合う形で成長を続けられた、ですから 先行きが悪いと判断されると、いきなり投資が引き揚げられる、となるともう あとは、ループになって「投資が引き揚げられる」->「それに見合うだけの発 展しかしない」->「経済成長への不安」->「投資が引き揚げられる」と際限な く続く、でも今回はそんなループを作る前に、隣国の信用不安が一ヶ月後に自 国に響く話になる。 「経済成長への不安」なんて漠然とした感じだけで、「投資が引き揚げられる」 わけですから、本当に経済が悪化しているわけでもない。逆に「投資が引き揚 げられる」から余計に「経済成長への不安」が加速されて、通貨危機が起きる ようです。 このあたりの理屈づけは、もっと複雑でしたが、私なりに解釈するとこんな感 じです。ただ前に米国の経済発展はバブルだ、との意見も聞いた事があります が、米国の経済が悪化する可能性はやはりあるようで、そうなると更に最悪の 状況の可能性も(^_^; という話ですが、私はそれよりもインドネシアの経済危機も結局は先に弱者か ら、影響が出るわけで、国民の半数程度が苦しむ状況になると指摘する新聞を 読むと結構コワイ感じもある。日本の資金投入も決まってますが底無しに投入 しても持ち直せるのか、これも判りません。日本はあまり知られていないので すが、インドネシアへの投資はかなり過剰に行われていたようです。でそれが 今、ほころびはじめた。 とそうゆう感じでとらえてます。私は。 インドネシアの苦難は、即座に日本にも波及しそうです、日本の状況だって悪 いわけですから、その状況の中で支援や資金の投入を続けるのも苦るしいわけ です。また日本人が、その状況をそれほど把握もしていないですし、あまり関 心も持たない。マスコミもそれを取り上げない。 批判がある程度無い状況では、たとえ優秀な人間でも間違えを自分でCHECKする のは難しいわけで、日本ですらバブルの後遺症で苦しんでいるわけですから、 メディアの注目度が低いのは致命的かもしれない。 また、現在の通貨危機、金融危機の発生が、一国だけの閉じられた環境ではな く、その影響が世界に伝播する話もありました、そんな意味で言えば、自由化 する事への危険性がよく語られています。

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