ゴルカル臨時全国大会を終えたインドネシアの政治展開について (98/07/25)
| ゴルカルは、インドネシアの最大派閥ですが、実態というかどんな集団なのか を説明するのは難しいそうで、私もお話を聞いていてもよく判らん。説明する 側もやはり同様で、ズバッと解説はしてくれない。 ただ、ゴルカルを理解することは、インドネシアの政治動向を知るために必要 なことですから、憶えて置くことにしましょう。 で、25日にAPEXの「ゴルカル臨時全国大会を終えたインドネシアの政治展開に ついて」と題した、講演を拝聴してきました。 ゴルカルはインドネシア語の現地語で2つ以上の言葉を合わせて作った一種の 合成語です。日本でいうと「チョベリバ」みたいなもの(って例えが悪いけど) 意味は「職能集団」。 ただ基本的には、本来の意味するような人達というよりも、議会で票を集める ために必要な議席を確保している人達、のようです。これも純粋に、「票」の ためだけに存在するのかもしれない。 インドネシアの記事を読んでいると、「ゴルカル」と言う単語はよく出てます。 与党であるゴルカルは、スハルト前大統領の元に、強圧的な政治を行ってきま した。 現在の、ゴルカルはスハルト前大統領の色を抜くために 「07/17 20:43 読: スハルト前大統領の親族5人を解任」 なんて事もしています。スハルト前大統領の時代には、身内の登用を多くして 政権の安定化を図っていましたが、現状ではそれが通用しにくいようです。 最近の報道では 「07/11 22:19 読: ゴルカル新総裁にアクバル氏」 なんて記事も出てますが、今年の7月のゴルカル関係の記事が多く、インドネ シア与党ゴルカルの新総裁に選ばれたアクバル・タンジュン国家官房長官の事 が詳しく書かれている記事が配信されてます。 ハビビ現大統領は、ゴルカルがより民衆の声を聞くものとして生まれ変わると 演説してますが、そんな事が言われるくらいに「従来までは悪かった」と判断 できます。(実際、悪かったのですが(^_^;) そんなインドネシアと日本の癒着に関しては、今月の月刊「世界」(岩波書店) 8月号にも出ています、特集「インドネシアからの声」。 「インドネシアと日本、癒着の構造」(P.74)と題して、日本の開発投資の過剰さ によって、インドネシアを食い物にしていたお話が読めます。日本のODAが本当 に、この国に幸せを運んでいたのか?というと、そうでもない、日本の一部の企 業とインドネシアの権力者の一部を、富ませただけ。ODAの腐敗について、いろ いろ載せてあります。 その権力維持に「ゴルカル」が使われていた話。一見すると、多数決の原理で、 あたかも民主主義が守られているかのように見えますが、その多数決を維持する ために、ゴルカルという集票組織を使った話。もっとも日本もじゃあ、きちんと 民意が反映されているのか?と問われると、別にそうでもないし・・・というわ けで、他国をなかなか批判できる状況じゃない。 |