「'98平和のための戦争展」 (98/08/17)
8/15は敗戦の日ですが、もうなんか全然その手のお話は注目されにくくなって
きている。それでも注意してみればそれなりに動いてます。靖国神社にも行っ
てきましたが午後遅くだったせいか、それほど人は多くないですが、曇天の中
を薄暗い境内を歩いていると妙に「敗戦の日」なんだと感じられる(^_^;
家族連れがそれなりに目立ったのも印象に残った>靖国神社
で、先に大学生協渋谷会館に行ってきましたが、そこで12〜16日まで集中的に
「'98平和のための戦争展」が開催されていまして、日本の戦争犯罪の展示や、
ビデオ映像、証言をされる人達のスケジュールがびっしりある。さすがに毎日
はいけませんが。
このあたりの情報はおなじみなんですが、この手の情報を日本人が妙に避ける
のも、理解できる。というか、加害者としての日本人というイメージを既に持
てないのかもしれない(もっとも被害者としてのイメージも年々薄れがちです
が)日本人が半世紀前に行った戦闘行為を、自国の事として認識するのがやや
難しいというか、もうそれを想像するのも、無理なほど今の日本は「平和」な
のかもしれない。
それでも、16日にはNHK教育TVでアニメーション映画「対馬丸」を見て、戦争末
期に沖縄から学童疎開のために小学生を乗せた「対馬丸」が、潜水艦に撃沈さ
れ、何百名もの子供を死亡させた状況を知れば、やはり自国の事として認識で
きそうにもなる。
アニメーション映画の方では沈没する状況も悲惨ですが、奇跡的に助かっても
海の上を竹製のイカダで何日も漂流する状況もヒドイもんですし、助かった子
供たちから「沈没した事実」を隠すために憲兵が脅迫する場面もある。なんか
もう、事実隠蔽のために子供たちに・・そんな事までするのかとさえ思える。
「対馬丸」と共に護衛についていた軍艦は、現場からとっとと逃げたようでこ
れも、状況は理解できますが(対潜能力なんて、もう既になかったのかもしれ
ないし)どうにも、情けない感じもある。
どちらかというと、今の日本人はそんな「戦争の悲惨な状況」を忘れそうなの
かもしれない。最近では月刊「創(つくる)」の9月号から「鈴木邦夫主義」
では、最近の風潮として「戦後50年、『国家ナショナリズムは悪だ』と教え
込まれてきた。そのお先棒をかついだマスコミや左翼が悪いのだ。だから、こ
うした問題は冷静に論じらるようになったと思ったらその反動で、ドットと『
国家、ナショナリズム万歳』『東条英機は英雄』・・・だ。これはないだろう
と思う。日本人というのは『どっちが正しいのか』という単純な二分法で、極
端から極端に走ってしまう。そんな危ない民族でもある。」(P.68)と語られて
ますが、最近のそんな反動がやはり怖い(^_^;
日本人は極端が好きなんじゃなくて、極端な一部の人にそれほど関心を持たな
いのが怖いのかもしれない。戦前でも「翼賛体勢」に迎合していたのは一部の
人だったとも語られています。それ以外の国民は、内心は嫌だけどまあ逆らわ
ないようにしていた。ここで「馴れ合い」の悪い面が出てくる。ケンカをしな
いようにすればするほど、極論に引きずられる(^_^;
誰かが「右へ右へ」と叫ぶほど、大衆も引っ張られる。
もっとも、この月刊誌で連載している妙に「左っぽくみせている」鈴木邦夫氏
も「心情的に右に好感」を持たせている感じで、注意したいですが。
当日、靖国神社の回りを右翼の人が街宣してましたが、15日にはさすがに、軍
歌なんかを流すわけでもなく、本来の右翼の主張を語っていた。でも街宣の車
は、あの濃いグリーン色の装甲車みたいなモノですから、目立つ。たまに都内
でも、回ってますがあまり「軍歌」を流さないようで、やけにポップな曲を流
していたりするのも、不思議な感じもする。同じく当日、反戦のデモ行進もみ
ましたが、警察の機動バスと共にけっこう大きな(と言っても200mくらいです
が)行進になってます。
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