「絶滅から救おう!高山植物-保護と盗掘を考える」 (98/09/23)
9/23に神田でシンポジウムが開催されたので拝聴しに行ってきましたが参加人
数が多かった。400名は越えていた。
で、久しぶりに籠橋弁護士さんを見られて良かったですが、内容的には充実し
てました。盗掘の状況や踏み荒らしの状況などを、拝聴できた。
盗掘の問題は、根こそぎを掘っていく場合もあるようです。また「自然のもの
を珍重してしまう」あまりに「山採り」が行われてしまう。私が聞いた範囲で
は、業者の「山採り」が問題視されてます。
高山植物の愛好家の方も参加されていましたが、愛好家の人達は「自分で育て
る」「人工培養」の方シフトしているようで、「山採り」は一般的でもないよ
うです。愛好家が居るということは商品の流通の必要性があるわけで、「山採
り」をさせないためには、人工培養の技術を確立させ、欲しがる人に満足させ
られるほど流通させるべきで、外国もその方法で自然を守っている話です。
文化庁、環境庁、林野庁の方もパネリストとして参加されていましたが、特別
天然記念物はいわゆる「国宝」と同じものとの認識を広げるべきと語られてい
た。一般人は、あまり日本の自然にそれほど興味をもたないですし、山野の植
物にこれも「重要」とは考えない場合がありますが、日本にしかない固有の種
類や、特別なもの、貴重なものは、人間が作った「大仏」や「五重塔」と同じ
ように、守られるべきものである。という話です。
そう言われると確かに「自然」にあるものは、なんとなく勝手に自生している
感じで、ほっといても「無限」に生えそうですが、人間の影響力が強い今の時
代には、ほっといてなんとかなるわけでもない。
ということで法律があるのですが、これも優先順位があるというか、あまり自
然を守るために警察などは動きにくいようです。手が足りないって場合もある
のでしょうが。
シンポジウムの中で意見の分かれた話の中で、
「規制や罰則を強め、流通の取り締まりを厳しくするべき」という意見と「流
通を活性化させて欲しがる人には、十分に行き渡らせる」という意見がある。
ただ珍重されやすいものはやはり育成が難しく、花が咲かなかったり枯れてし
まうようで、結局は一時的に見るために「山採り」をしたり、「山採り」をす
る業者(もちろん業者も自前では育てられない)から、買ってしまう。
お話を聞いていて、いわゆるコアなマニアは自前で育てるのが一種の勲章的な
と考えているように見える。安易に「山採り」してしまうのは、つまり育成で
きないからであって、それは愛好家としては技術の未熟さにつながってしまう
わけです。
だから真剣に育成できる環境を探し出して、自分で開花させる。
そのノウハウを逆に、業務とすればいいような気もする。犬のブリーダーのよ
うに血統を守るために、自前で育てて売る。ってのが良い方向なのでしょう。
ただそこまで、マニアックでない場合はやはり「買ってでも所有したい」人も
居るのでしょうし、その人達を相手にする業者も存在することになる。
規制をするとしたら、その「層」をなんとかするのが良いとも思える。
本当は実物を愛でるのではなく、写真集とかGAMEとかもっとバーチャルな世界
で「所有欲を満たす」「育成欲を満たす」って方向性があるのが、今後は正し
いのかもしれない(^_^;
高山植物育成ゲームてのはいくらなんでも、マニア過ぎるか?
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