アマミノクロウサギと天然記念物 (99/01/16)
科学系の雑誌「日経サイエンス」の今月号で、アマミノクロウサギの現状を特
集してますが、この中でも奄美大島で現在、徐々に少なくなっていることを扱
っていましたが、今月の上野動物園の集まりでも「南の島の黒いウサギ〜アマ
ミノクロウサギの生態と保護」と題して講演があったので拝聴してきました。
クロウサギだけではなく、移入動物の話が面白かった。
「日経サイエンス」の方でも、奄美大島にハブ退治のために「マングース」が
島民の善意で移入された話が出てます。初めは20匹程度が、20年近く経過
して、5万匹〜10万匹に増え島内の希少生物を淘汰し始めている。
もとからアマミノクロウサギは、あまり他のウサギよりも動きが早い方でもな
く、マングースのように繁殖力も高く捕食者としても能力が高い生物には、弱
いですから徐々にマングースが増加する絶滅の危険性もある。
で、マングースがハブなどの駆除に効果があるのか?というと実は、ハブは夜
行性で昼間はあまり動かない。逆にマングースは昼間に活動する生き物なため
に自然の環境では、遭遇する機会がないのでは?とも。
よくある見せ物として、マングースとコブラを闘わせるショーもあるのですが
あれは狭い空間の中で無理に闘わせているようで、実際にヘビだけを駆除する
のか、疑問視されているようです。
また、マングースが作物を狙って被害を出している話しもありますから、元は
島民の善意で移入したものが、逆に悪意影響が出てしまっている。
さらに人間側が原生林に道路を通してウサギの行き来を困難にしている話もあ
りますが、どうも特別天然記念物に指定をされても、生きていく環境を保全で
きなければ、数が減って行くのを止められない感じもする。(^_^;
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