野村進氏の講演の話「コリアン世界の旅」(99/01/23)
| 土曜日は、新大久保センターで野村進氏の「フィリピン新人民軍従軍記から アジア新世紀まで」と題して、著作の紹介とノンフィクションの取材の心得 の話をしてもらっていましたが、アジアの注目をし現地取材をしながら著作 に書けなかった話題もあって、勉強になる。 というか、「野村進氏」を読んだ事がない(^_^; 本屋に行くといわゆる旅行記の書棚に「コリアン世界の旅」なんかを見つけ ることが出来ましたが、旅関係に分類している書店もあるようで、そっちの 場所をCHECKしたことが無いために、よく知らない。 随分と昔から活躍されているようですが、興味の対象から外れていたために まったく知らなかった。 主な著作は 「アジア定住」めこん社 「コリアン世界の旅」講談社 「アジア新しい物語り」文藝春秋社 他多数あるようです、最近は文庫本でも扱う予定とも語られていた。 私が見つけたのは「コリアン世界の旅」ですが、日本で定住している半島 の人達の周辺を扱ってます。サッカーネタ的にはJリーグで活躍している 在日の人達。もっとも国内では、在日の人達のサッカーが非常に強かった わけで、そのあたりの話も扱われている。 国内では、あまり表面化されない「在日」の人達を積極的に扱っていいる わけで、ノンフィクション賞を2つも取っている注目すべき本とも言える。 ただ最近のアジアを扱うノンフィクション・ライターに対して結構、キツ メの批判もされているようで、野村氏のポリシーと最近の風潮が「合わな くなっている」話もある。 長年アジアに興味を持っている野村氏からすれば、目新しい発見もない他の 本に「辛口」になるのは、なんとなく理解できる。しかし、先人の作品をも っともっと読む方向と、逆に先人の作品に触れないで「自分なりの感性」で 書いていくパターンも有りなんでは?とも思っている。 もっとも書く方は、読者が面白く感じる対象と同時に、自分が興味を持つ対 象が、そう時代によって変化するとは思えない。 野村氏が関心を持つようなことは、他のライターも関心を持つわけで、その あたりの「対象を別の角度で見せる」技術は、ノンフィクションの場合は、 そんなに多様になるのだろうか?とも思えてくる。もっとも先人の作品に触 れていれば、いわゆる「二番煎じ」に対して自己規制をすると思えるけど。 ノンフィクションの場合、どこまで「面白い事件」に出くわすのか?って話 もある。野村氏は「取材運」という形で表現してますが。 その取材運を、延ばす方法も出てました。 対象を取材する時のノウハウが語られていて、かなり面白かったです。 |