カトリック大阪大司教区国際協力委員会
 

ユノス・タヒリさんに在留特別許可!
(2001年11月2日)

 

 アフガニスタン人で、1999年4月以来難民認定を求めてきたユノス・タヒリ氏に本日(2001年11月2日)、在留特別許可の告知が行われた。申請(1999年4月6日)から2年半、異議申出から2年、ようやく安定した地位が得られることとなった。

 ユノス・タヒリさんは、ホダダットさん、グラム・フセインさらとともに10月15日の法務省への申し入れで早期認定を要望した申請者であり、今回の決定は、申請者、支援者一体となった努力の成果である。ホダダットさん、グラム・フセインさんについても今後同様の動きが予想され、われわれカトリック大阪大司教区国際協力委員会が取り組んできた「第1期申請者」については年内解決に向けて大きな弾みがついたといえる。

 しかし今回の在留特別許可の告知は、難民不認定異議申出に対する却下処分の告知と合わせて行われると見られる。その意味で、今回の決定は、原処分である不認定処分の不当性を糊塗するものである。

 法務大臣の裁量によって与えられる在留特別許可は、不適切な難民認定手続きとそれ結果下される不認定処分の不当性を事後的に、申請者の権利を除外した上で、入管法違反調査手続きの側から是正する制度と化している。難民申請者に対しては、難民審査プロセスと違反調査プロセスが一体的に運用され、一方で難民条約にもとづく難民認定制度の自立を阻むとともに、申請者の長期収容の根拠を提供することにより、申請者に対する申請抑止・恫喝装置として機能している。このことは、東京での難民申請者の一斉拘束・収容に対する法務省の見解にも端的に現われている。

 われわれは、ユノスタヒリさんが不安な日々から解放されることを心から喜ぶとともに、東京・大阪で、難民申請者および不当な不認定処分を受けた申請者に対して加えられている「収容」という名の迫害に対する抗議の意志をここに表明する。
 

 



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