特定非営利活動法人 難民支援協会
 

アフガニスタン人難民申請者の収容に対する難民支援協会の声明
(2001年10月9日)

 

 去る10月3日、法務省入国管理局はアフガニスタン人難民申請者を、出入国管理および難民認定法違反容疑で一斉に摘発しました。特定非営利活動法人難民支援協会(以下、当協会)はこの件に関して強い懸念を有しており、以下の声明を発表します。 

・難民申請中の者に対する収容は行われてはならない。   
 故郷を去らなければならず、かつ迫害をおそれて戻ることができない、という難民の特殊性に鑑み、非正規な入国という事実をもって処罰されてはならないこと(難民条約第31条(※1))、難民申請中の者が収容されてはならないこと(UNHCR収容に関するガイドライン)、はそれぞれ国際的に確立している原則であるといえます。 

・ 特定の国籍を対象とした難民申請者の取り締まりは行われてはならない。 
 難民申請は個々の事情を勘案し、保護の必要性を判断する手続です。それを国籍が共通していることのみを理由として一斉に摘発することは難民申請手続における適正手続の原則を著しく欠いていると言わざるをえません。 

・ 難民認定手続を通して把握した情報を摘発の目的に流用してはならない。 
 政府における難民申請を判断するためだけに用いられるべき個人情報が、その人を摘発し、収容するために流用されたのではないかと、難民支援協会は懸念しています。 

  今回の摘発は、難民申請者に対して深刻な動揺を与えています。テロ事件以降、アフガニスタンの情勢を伝える報道が多くなされていく中で、アフガニスタン難民への保護必要性の議論が高まってきた矢先での同国人の収容でした。ようやく保護が現実化してきたという期待が大きかった分、その失望は計り知れないほど大きく、次は自分かもしれないという恐怖が大きく広がっています。このような矢先の摘発は、アフガニスタン人のみならず、他国からの申請者に対しても、不安を広げています。 

  以上により、以下の事を求めます。 
 ・収容されたアフガニスタン人難民申請者は、即時に放免されるべきである。  
 ・難民申請中の収容は二度と繰り返されるべきではない。 

以上
 



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