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お母さんのための

日経新聞入門講座

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VOL002-連結   98/FEB/26 朝刊1面「三菱自工 連結赤字600億円に」

連結、って何?ということについて述べましょ。最近、各企業の決算数字などについて、かなり「連結ベース」で記事になってることが増えてきました。「連結」という言葉と対比されるのは「個別」という言葉です。ただ、ごく最近までは企業の決算数字を語る場合は「個別ベース」で語るのが、暗黙の前提だったので敢えて「個別」という言葉を使っている記事は少なかったかも知れません。ちなみに、この記事の中では「単独の経常利益は・・」と書いてあります。「単独」は「個別」と同じ意味です。

「単独」なり「個別」なりという場合は、その企業だけの決算数字という意味です。つまりこの記事の場合は「三菱自工」という一つの会社だけの数字を述べています。

しかし、「連結」といった場合は、そのグループ企業も含めての決算数字ということになります。現在の基本的な決算ルールでは、「連結」といった場合、そのグループの中の主体となる企業が(この記事の場合は三菱自工)過半数の議決権を所有している企業(三菱自工を親会社と呼ぶならば、その子会社ということです)と、20%以上半数以下の議決権を有している企業(これが関連会社と呼ばれます)全体を含めた数字、ということになります。

「連結」と言った場合にどの範囲の企業(所有する議決権の割合だけを基準としていいのかどうか、など)を含めるか、ということについては議論もありますし、今後ルールが改正されることになってます。しかし、とりあえず、お母さんとしては、企業グループ全体の決算を表しているのが「連結」なのだと理解していただいていいと思います。

では、なぜ、最近「単独」あるいは「個別」ではなく、「連結」決算の数字を新聞が取り上げるようになったのでしょう?企業はいろいろな形をとって経営をしています。例えば、自動車会社があったとして、中心となるのは自動車の製造をしているセクションというのが普通でしょう。でも、自動車の販売をするセクションは、その自動車会社の一つの部門として運営している場合と、子会社などを設立して別会社の事業として運営している場合があるでしょう。「個別」だと前者のパターン(販売部門を自社で持つ会社)と後者のパターン(販売部門は別会社)では、決算数字が異なりますよね?(後者の場合はあくまでも販売部門は別の会社ですから、「個別」決算には販売部門の成績は入ってこないことになります)。でも、経済的な活動としては実態的に同じじゃないの?という疑問が「連結」決算という表現の源となってます。

つまり会社という形式が別であったとしても、実態として一つの会社の1事業部門と考えられる範囲まで取り込んで、全体をみよう、ということなのです。これは世界的な潮流ですから、日本でも今後、決算と言えば「連結」で語られるのが当たり前になるでしょう。

 

日本経済新聞社 http://www.nikkei.co.jp/

 

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