電子版への註

電子版への註



『白蟻電車』は詩の凝縮力というものだけを考えて、また一定の主題に沿ったかたちで書いたものをまとめたものである。詩についての考え方は当時(一九八四年)ごろからはいくぶん違ったものになってきている。しかし、電子版の原稿をいじりながら言葉の位置の占め方は間違っていなかったと思う。

感性や感情の表現こそ、じつはネットワークにほうりこむのにふさわしい、といつも思っている。この道具(パソコンやインターネット)にじゃんじゃんほうりこみ、また取り出すことこそ新たな可能性を開くことだと思っているからである。

『点点とおちてゆく掌の絵』を上梓したのが一九七七年であり、この詩集が一九八〇年の作品から始めているから、およそ二年の間に様々な場所で書いた詩はいまだに原稿用紙や雑誌のかたちで押入れに眠っていることになる。また、『毒草』を一九九六年に出したから、さらにおよそ一〇年分のたくさんの作品があり、愛着のあるものも多い。これらはいつかまとめたいと思っている。
   1996年9月7日     清水鱗造

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