音を全て聴いたわけでも、テキストを全て読んだわけではないのだが、それが終わる までには時間がかかると思うので、概要を速報。 Jean-Luc Godard _Histoire(s) Du Cinema_ (ECM, ECM1706-10, 1999, 5CD+4book box) Jean-Luc Godard のビデオ・エッセイのシリーズ _Histoire(s) Du Cinema_(1988-1998) の完全サウンドトラック、ということですが、同じような企画で以前にリリースされた Jean-Luc Goderd, _Nouvelle Vague_ (ECM, ECM1600/01, 1997, 2CD+book box) の ようにサウンドトラックの CD box set にブックレットが付いたというものではなく、 そのテキスト本豪華箱入り全4巻ハードカヴァー本の付録として CD が5枚付いている、 という方が正確な作りのものだ。 CDも本のカバーのポケットに入っているし、本の中身は、_Histoire(s) Du Cinema_ の ナレーションのテキストを仏独英三ヶ国語対訳で載せたもので、断章形式のエッセーと いう感じだ。テキストの間とかにではなくそれぞれの巻末に、スチル写真が合わせて 300枚以上載っている。もちろん、装丁は、ECM らしく丁寧にデザインされたものに なっていて、ストイックでモダンに仕上げられている。 この Godard のビデオシリーズは観たことは無いのだが、このCDを一部聴いた限り、 _Nouvelle Vague_ に比べて音楽的な要素が低く、セリフや物音のコラージュという 面が強いと思う。もちろん、物音の組み合わせが音楽的に聴こえる瞬間もあるが。 _Nouvelle Vague_ のCDのように、B.G.M.でも使える、というほどではないと思う。 CD一枚は1〜2トラックにしか分割されていないので、本のように拾い読みできない。 言葉が聴き取れない、ということもあるが、デザインからしても、本が主、CDが従、 という印象を受ける企画だと思う。それはそれで良いと思うが。 2000/2/6 嶋田 Trout Fishing in Japan 丈裕