L'Attirail _Cinema Ambulant_ (Naive, NV3321-1, 1999, CD) - 1)Laughing With Allan 2)Brasov Bastringue 3)Delicia 4)Le Go-Slow 5)Suite En Solde 6)Machovo Vitava - Part 1 7)Machovo Vitava Part 2 8)5 Heures Et De La Poussiere 9)Rocheplate 10)Disco Tel-Aviv 11)Anadir 12)Milano Central 13)Telefon Baglantisi 14)Lamentov 15)Ouzeri Dabanonghy 16)Viskos Circus 17)Odeska 18)Sophiapolis 19)Bielamor Canal - Realisation: Xavier Demerliac. Recorded 1999/5. - Jerome Bensoussan (trumpet,clarinet,xylophone,derbouka), Xavier Demerliac (guitar,trombone,tuba,saz), Stephen Harrison (contrabasse,piano,accordeon,guitar), Philippe Sirop (drums,percussions,autoharpe,xylophone), Alice Guerlot-Kourouklis (accordeon,piano); Jean-Stephane Brosse (piano) on 1, Jeseph Doherty (violin,cello) on 6-8,10,14. L'Attirail は、Paris 郊外出身の5人組のインストゥルメンタルバンド。1990年 代後半になって活動しはじめ、これで5枚目アルバムということだが、僕が聴くのは このアルバムがはじめて。 ベースとなっているのは Gypsy 音楽、それも Balkan 風の。しかし、伝統的な それではなく、かなりフェイクがかかったもの。Balkan 風の味を出しているのは、 Turk 軍楽風の brass や derbouka のような打楽器の音色なのだが。しかし、 例えば、Kocani Orkestar のような強烈な変拍子も無いし、吹きまくる brass の響きも無い。その手のスリリング的な展開は無く、もう少し引いてゆったり 聴かせる編曲だ。あまり回転する感じがしないクリアなリズムは、むしろ rock / pop 的なニュアンスを強く感じさせるし。少し間を空けるかのように 整理された音というのも、モダンな感じだ。少し間抜けた感じに音程がズレた guitar の音色や、piano や xylophone のポロポロいう音色も、jazz 的というには いささかフェイクな感じを作り出している。しかし、泥臭さ、いかがわしさとは 異なる、むしろちょっと洒落た感じにもなっている。その、洒落た感じがちょっと 異国趣味+懐古趣味かな、という気もするけれど、 題名などに、けっこう「共産主義」趣味なものが織り込まれているらしいのだが、 それについては、残念ながら、僕にはよくわからない。 Les Hurlements d'Leo _Le Cafe Des Jours Heureux_ (Play It Again Sam France, PIASF017CD, 1999, CD) - 1)La Der Des Der 2)Louise 3)Le Petit Monsieur En Gris 4)Fabulous And Luxury Holydays For Todos In Barbados 5)La Nuit, Le Jour 6)Au 39 7)L'Accordeoniste 8)Une Danseuse 9)La Piave 10)La Vie Du Quartier 11)Une Corde Et Du Papier Paris 郊外の Gypsy 風味の pop / rock というと、Balkan 風よりも、むしろ、 1990年前後にブレイクした Les Negresses Vertes のようなものの方が主流だと 思うのだが。例えば、Les Negresses Vertes や Mano Negra を収録した当時の 名編集盤 Various Artists, _Sang Neuf En 89_ (Eurobond, JDEUR760163, 1989, CD) でもその手の音を多く聴くことができる。 このバックグラウンドもメンバーもCDのクレジットからはよく分からないバンド Les Hurlements d'Leo も、Les Negresses Vertes のフォロワー的な音である。 Les Negresses Vertes に似すぎて、もう少し (Les Negresses Vertes の Helno の歌唱のような) 個性というかクセがあった方が面白いかもしれない、とは思った けれども。Les Negresses Vertes も Helno が死んで以来ぱっとしないだけに、 この手のバンドのCDの作品の中では比較的楽しめたかもしれない。 Les Tambours Du Bronx _Silence_ (TDB Prod., TDB9902, 1999, CD+) - 1)Aktivator 2)!Sangria Si! 3)Requiem 4)Jungle Jazz 5)Les Boulets Se Rebiffent 6)Vukovarska Bolnica 7)Garini 8)Black Bull 9)La Caravane 10)Double Devils 11)Etouffez La Ventoline この Les Tambours Du Bronx は、Les Negresses Vertes や Mano Negra などと 一緒に France の独立系 pop / rock シーンに出てきたバンドというかアンサンブル という印象があるのだが。実際のところ、その手のバンドとはかなり毛色が違う バンドである。その当時、Les Negresses Vertes のようなバンドだと思って 1st アルバム Les Tambours Du Bronx, _Ca Sonne Pas Beau, Un Bidon?_ (Eurobond, JDEUR760303, 1987, CD) を聴いたときはびっくりしたものだった。 その後、音沙汰が無かったので、解散したのかと思っていたのだが、なんと活動を 続けていたようで、新作を見付けてびっくり。これで4枚目のアルバムになるよう。 Les Tambours Du Bronx は、France 中部の Nevers を拠点に活動している、総勢 20名のメタルパーカッションのアンサンブルである。特にメロディも無く掛け声だけで ズンズンドンドンガンガンやっているわけだけども、初期 Einstruezende Neubauten に感じられたような破壊的な感じはなくて、むしろリズミカル。大太鼓のアンサンブル を聴いているような気持ちよさがある。2、3枚目も探し出して聴いてみたい、と 思わせるくらいの佳作。 ちなみに、enhanced CD 仕様になっていて、Bronx Sound Machine という、 ちょっとしたメタルパーカッション遊びができるようなソフトが付いている。 ちょっと使ってみたけれども、それほど面白くはなかった…。 2000/2/27 嶋田 Trout Fishing in Japan 丈裕