Bonga _Angola_ (Lusafrica / RCA, 7432 15248 2 2, 1972,4/1997, 2CD) - CD1)_Angola 72_ 1)Mona Ki Noi Xica 2)Uengi Dia Ngola 3)Balumukeno 4)Ku Tando 5)Kilumba Dia Ngola 6)Muadikime 7)Luanda Nbolo 8)Mu Whango 9)Daxi Ni Ngongo 10)Muimbo Ua Sabalu CD2)_Angola 74_ 1)Sodade 2)Uenda Poro 3)Kuangela 4)Makongo 5)Roots 6)Ghinawa 7)Marika 8)Ngana Ngonga 9)Ai-Ue Mama 10)Kinga Kueta 南西アフリカは Angola 出身のミュージシャン Bonga (Bonga Kuenda) の Angola 独立 (1975) 前の2枚のアルバム _Angola '72_ (1972) と _Angola '74_ (1974) のCD化。 既に個別にCD化されていたが、2枚併せてデジパックの綺麗な限定パッケージが 出ている。(出版年のクレジットを見ると、2〜3年前に出て、最近日本に出回る ようになったように思われる。) Bonga ではないが、初めて Angola 出身の歌手 Waldemar Bastos の _Pretaluz_ (Luaka Bop, 9 46481-2, 1998, CD) を聴いたとき、その Brazilian music の影響は 彼の個人的な資質かと思ったものだが、その後、Luso-Africa 諸国の独立20周年の イベントと関係してリリースされた、 Various Artists, _LusoMania - Transatlantica_ (Piranha, CD-PIR0938, 1995, CD) Various Artists, _Adventures In Afropea 3: Afro-Portugal: Telling Stories To The Sea (Luaka Bop, 9 45669-2, 1995, CD) Various Artists, _1975-1995 Independencia!_ (Lusafrica, 08736-2, 1995, CD) といった一連の Luso-Africa (旧 Portugal 領 Africa) の音楽の編集盤を遡って 聴いて、このような Fado や Brazilian music と共通するサウダージ感溢れた 歌唱や繊細な感じのするギターのフレーズなどは、Luso-Africa (特に Angola) の 音楽の特徴と知って驚いたものだった。 このCDで聴かれる Bonga の歌も、まさにそういうサウダージ感溢れるものだ。 Waldemar Bastos の歌ととても似ているし、もしかしたらこのスタイルの原点なの かもしれない。semba という今世紀初頭あたりに Luanda (Angola の中心都市) で 生まれた音楽 (Brazil の samba のルーツ、という説もある。) のリバイバル運動の 中から Bonga は出てきたのだが、この運動は独立運動と連動していたために当局 から睨まれ、この2枚のアルバムの録音がなされた1970年代前半、Bonga も半ば 亡命状態で Belguim の Cabo Verde (やはり Portugal 植民地だった) 移民の コミュニティや Paris で生活していた、という。やはり、Brazil の berimbau 奏者 (Sebastia Rocha) も参加していたり、と、Brazil 音楽との直接的な影響というか 交流も思わせる。 1970年代の African pops にしては、それも trad. のアレンジ曲もそれなりに あるのに、とてもシンガーソングライターっぽく聴これるのはどうしてなのだろうか。 M.P.B. (Musica Populeira Brasileira) っぽいからなのかもしれない。Bonga の 場合は、そのほぼ同時代なのだが。好き嫌いは分かれるだろうが、そういう シンガーソングライターっぽさが、僕は好きだ。 2000/12/15 (2000/3/30) 嶋田 Trout Fishing in Japan 丈裕