Vincent Courtois _Translucide_ (Enja, ENJ9380-2, 2000, CD) - Recorded & Mixed at "La Chaudiere" Les Lilas, France in 1999/7 by Maman. - Vincent Courtois (cello); Noel Akchote (guitar), Michel Godard (tuba,serpent), Yves Robert (trombone). リーダー作は5枚目ということだし、Philippe Eidel や彼が制作した Khaled の 録音に参加していたり、Louis Sclavis のサイドメンなどで活動する若手 (1968年生) の cello 奏者ということで、そういう中で音を聴いたことがある はずだが、名前を意識したのはこのCDが初めて。cello のソロが中心のアルバム だが、セッションに参加している3人の顔ぶれに惹かれて聴いてみた。 意外に良い作品だった。 cello の free jazz / improv. というと、Tristan Honsinger や Ernst Reijseger といった Holland 勢をまず思い出すわけだが、かなり違った印象を受ける音出し だった。特に印象的なのは、高音の多用。その音のテンションの高さと対比的な ピッキングの音の丸さ。 そういう音に対する Noel Akchote のほとんど electro-acoustic な guitar 音 との重なりも悪くないけれど、tuba や trombone のような落ち着いた感じの brass の音と重なったほうが、ゆったり聴かれるように思う。B.G.M. に流して おいても気持ちよいような音だ。 2000/5/21 嶋田 Trout Fishing in Japan 丈裕