Equal Interest _Equal Interest_ (OmniTone, 12001, 1999, CD) - Recorded live to 2-track by Tom Schick at Sear Sound, NYC, on 1999/8/2,3. Produced by Equal Interest and Frank Tafuri. - Joseph Jarman (fl,as,Turkish hand drum,Vietnamese oboe,wind chimes), Leroy Jenkins (vln,vla), Myra Melford (p,harmonium). 1990年代前半の、そのリズミカルで華麗な演奏が魅力的だった US の新進女性 free jazz piano 奏者 Myra Melford が参加した作品。最近は作曲指向が強まり、 だんだんと面白くなくなってしまったのだけど、これは久々に楽しめる作品だった。 といっても、Melford のリーダー作ではなく、3人の共同リーダー作とでもいうもの なのだが。残りの2人は、Chicago のベテラン、Joseph Jarman (Art Ensemble Of Chicago) と Leroy Jenkins 。 大物相手だからといってバッキングに回ることなく、むしろ、Jarman と Jenkins の 反復フレーズを背景にドシャメシャ演るところもあったり。piano だけでなく、 harmonium を弾いているところも多く、その音も accordion 風で、伸縮するような 自由度の広がりがあって、新たな表現を感じさせてくれる。変則的なトリオと いうことも、演奏の自由度を高めているのかもしれないが。 といっても、3人の中で最も良いのは Leroy Jenkins の violin かもしれない。 吹きまくらずに間を置いた Joseph Jarman の管の音も悪くないのだが。 7曲目の "Everything Today" は Myra Melford の曲なのだけど、短いユニゾンする フレーズと伸びのあるメロディが Ornette Coleman 風だったり。この顔ぶれで こういう曲もあるのかぁ、というのが意外。とても気にいっているけど。 関連して、Myra Melford の最近のリーダー作を簡単に紹介。 Myra Melford's Crush _Dance Beyond The Color_ (Arabesque Jazz, AJ0147, 2000, CD) - Recorded by Tom Schick at Sear Sound, NYC, on 1999/5/12,13. Produced by Myra Melford and Stomu Takeishi. - Myra Melford (piano,harmonium), Stomu Takeishi (electric and acoustic bass guitar), Kenny Wollesen (drums,percussion,sampler). harmonium という楽器を得て新たな展開を期待させるところもある Melford だが、 リーダー作の新作もリリースしている。bass も electric で、sampler も入り、 クレジットから、ぐっと electric な感じになったと思いきや、実際の音は、 普通の piano trio に近かった。作曲指向が強くて、ゆったりめの曲が多く、 おとなしめ。それ以前の方が良かったかもしれない。 Myra Melford The Same River Twice _Above Blue_ (Arabesque Jazz, AJ0142, 1999, CD) - Recoeded & Mixed on 1998/3/31,4/1. Produced by Myra Melford and Dave Douglas. - Myra Melford (piano), Dave Douglas (trumpet), Chris Speed (tenor saxophone,clarinet), Erik Friedlander (cello), Michael Sarin (drums). 少し前の作品になるが、The Same River Twice での2枚目の方が、華麗な piano が聴かれるように思う。1枚目の _Myra Melford The Same River, Twice_ (Gramavision, GCD79513, 1996, CD) よりも良いように思う。といっても、 Myra Melford Extended Emsemble, _Even The Sounds Shine_ (hatART, CD6161, 1995, CD) の延長といえばそうだし、それ以前の管なしの piano trio 時代の 良さを知っているだけに、楽しみきれないところもあるのだが。 2000/5/21 嶋田 Trout Fishing in Japan 丈裕