Rob Schwimmer / Uri Caine / Mark Feldman _Theremin Noir_ (November, NVR2005-2, 2000, CD) - 1)Twilight Landscape 2)Waltz For Clara 3)The Neighbors 4)Fireflies In Tainan 5)Marnie 6)Sacrifice 7)Carlotta's Portrait / Farewell 8)The Nightmare / The Tower 9)Scene D'Amour 10)Tesla's Blues 11)The Fly 12)Real Joe 13)The Bookstore 14)Parade On Mars 15)Paralysis / Circle Song - Recorded 1999/3/15-16 - Rob Schwimmer (theremins,accordian,waterphone,daxophone,various toys), Uri Caine (piano), Mark Feldman (violin). New York の avant-garde jazz / improv. シーンで keyboard 奏者として活動する Rob Schwimmer のリーダー作は、Theremin を大胆にフィーチャーしたもの。Film Noir の 映画音楽を多く手掛けた Bernard Herrmann のトリビュート企画、とでもいう内容で、 題名は、_Theremin Noir_。"Waltz For Clara" は、伝説的な女性 Theremin 奏者 Clara Rockmore に捧げられたものだ。 アンテナに手をかざすことによの電界の変化を音にする楽器 Theremin は、いささか 際物的な楽器と見なされがちだけれども、ここでは、violin と似たちょっとマイナーな 音色を効果的に出す楽器として、普通に用いられているように思う。これは意外に ハマっていて楽しめる作品になっていると思う。 残りの楽器が piano と violin ということで、惜しむらくは、ちょっと室内楽的映画 音楽風に過ぎるようにも思う。それが、アルバムのコンセプトなのだろうが。 fiddle 的な Feldman の violin と重い piano の響きに Theremin が対抗する "Sacrifice"、free improv. 的なかけあいを聴かせる "The Nightmare / The Tower" や "Parade On Mars" のような曲がもっと収録されていたら、とも思う。というか、 piano か violin のどちらかを、drums か管楽器に置き換えた trio 編成にしたら、 もっと面白い展開になったのでは、とも思う。 この作品をリリースしている November は、最近活動を始めたレーベルで、まだ、 数タイトルしかリリースしていないが、厚紙を使った特殊なジャケットが特徴的だ。 コンタクト先の住所は London, UK になっているが、プロデューサは Shu-Fang Wang という中国系の人 (台湾の人らしい)。日本では、M.A Recordings による配給も決まった ようで、今後の展開が気になるレーベルだ。 2000/7/9 嶋田 Trout Fishing in Japan 丈裕