Sylvie Courvoisier / OCRE _Y2K_ (Enja, ENJ9383-2, 2000, CD) - 1)Y2K 2)Too Suite 3)Abra 4)La Valse Des Fromages Blancs 5)La Cigale Lvre S'Envoie En L'Air 6)Mutant 7)Sarajevo 8)Crasse-Tignasse 9)Machines-A-Sons 10)Fluxus - Recorded 1999/3/26-28. - Sylvie Courvoisier (piano,prepared piano), Pierre Charial (barrel organ), Michel Godard (tuba). Switzerland は Lausanne 出身の free jazz / improv. のシーンで活動する piano 奏者 Sylvie Courvoisier のプロジェクト OCRE の新作。といっても、 barrel organ (いわゆる手回しオルガン) 奏者 Pierre Charial が参加して いるのが、最も興味を惹いたところではあったのだが。 1stアルバム Sylvie Courvoisier, _OCRE_ (Enja, ENJ-9323-2, 1997, CD) では、 Tony Overwater (doublebass) と Mark Nauseef (drums) を加えた 5tet 編成 だったわけだが、trio になって、音がうまく整理されたように聴こえる。 リズム隊を失って、いささか大人しく、というか、室内楽風になった、とも 思うけれども。あまり jazz のイデオムを感じさせず、いささか作曲指向を 感じる演奏、という点では、free jazz / improv に多くみられる bass-less trio と同様のコンセプトと言える。 Michael Riessler, _Orange_ (Act, 9274-2, 2000, CD) では、Charial の barrel organ は持続音をあまり用いずパーカッション的だったが、ここでは、 比較的、長閑な旋律を聴かせるところもあって、パーカッシヴになるときも ある piano との、役割の切り替わりが面白い。もちろん、Charial の barrel organ の演奏が堪能できる一枚といえるだろう。 管が tuba と低音ということもあり、barrel organ の音の軽さの割に、 落ち着いた仕上がりになっていると思う。 2000/7/20 嶋田 Trout Fishing in Japan 丈裕