横浜 JAZZ プロムナード 2000 の復習シリーズ第二弾。 Carlo Actis Dato Quartet, _Noblesse Oblige & Oltremare_ + Carlo Actis Dato / Laura Culver, _Zig-Zag_ (Splasc(h), CDH513/4-2, 1999, 2CD) - CD1-1-12)Originally released as Carlo Actis Dato Quartet, _Noblesse Oblige_ (Splasc(h), H118-1, 1986, LP). Recoeded 1986/7/19-20. CD2-1-12)Originally released as Carlo Actis Dato Quartet, _Oltremare_ (Splasc(h), H153-1, 1987, LP). Recorded 1987/10/11-12. - Carlo Actis Dato (tenor & baritone saxes,bass clarinet), Piero Ponzo (alto & baritone saxes,piccolo,bass clarinet), Enrico Fazio (bass), Fiorenzo Sordini (drums,percussion,marimba). - CD1-13-17,CD2-13-17)Originally released as Carlo Actis Dato / Laura Culver, _Zig-Zag_ (Splasc(h), H186-1, 1989, LP). Recorded 1989/3/3. - Carlo Actis Dato (bass clarinet,tenor sax), Laura Culver (cello,soprano sax,berimbau). Carlo Actis Dato Quartet _Ankara Twist_ (Splasc(h), CDH302-2, 1990, CD) - Recorded 1989/10/27-29. - Carlo Actis Dato (tenor & baritone saxes,bass clarinet), Piero Ponzo (alto & baritone saxes,bass clarinet,little flute), Enrico Fazio (bass), Fiorenzo Sordini (drums,percussion). 正直に言って、Carlo Actis Dato は、今まで、試聴コーナーで聴いたり、音盤店 内で聴いたりしたことはあったのだが、そのときは買ってまで聴きたいとまでは 思わなかった。しかし、横浜 JAZZ プロムナード 2000 でのライヴを観た後の今、 出世作と言われた3rdアルバム _Ankara Twist_ (1990) を聴いても、ライヴでの はちゃけた感じはイマイチ伝わってこないようにも思う。その雰囲気を思い出す 手がかりにはなるが。Latin、Africa の音楽の影響はもちろん、Polka のような Europe の伝統的なダンス音楽の影響の処理の仕方にしても、ベースラインのノリも 気持ち良いが、ごった煮感の中にも生真面目さがどうしても耳につくように感じて しまう。やっぱり、ライヴならではの楽しさなのだろうか。 Carlo Actis Dato Quartet の1st アルバム _Noblesse Oblige_ (1986) と2nd アルバム _Oltremare_ (1987) に Carlo Actis Dato - Laura Culver, _Zig-Zag_ (1989) を併せて 3 on 2 とした編集盤CD 2枚組も出ているのだが。そこで聴かれる Quartet の録音は、_Ankara Twist_ よりもベースの引っ張る感じは弱い。荒削りな 感じは楽しめるかもしれないが。 しかし、それより、sax と cello の duo である _Zig-Zag_ が良い。Quartet と 同様の地中海的なメロディとかが用いられた演奏なのだが、Dato の吹く bass clarinet / tenor sax と Culver の弾く cello の音域がうまく合っていて、 単純に住み分けることなく、旋律とベースラインの入れ替わりなどの展開が絶妙。 cello の音が好き、ということもあるのだが、心地良い緊張感のある音になっている。 Dato の Quartet のごっちゃ煮感とはまた別の面を聴くことができる。そういう点で、 この 3 on 2 の編集盤はかなりお得だ。 あと、この編集盤は、ジャケットが、クラウン (道化) の格好をしたメンバーの イラストだ。クラウンというのは、彼らのステージでのノリを良く表しているように 思う。というか、やはり、あの舞台は、クラウン芸を意識しているのだろうなぁ、 とも思ってしまった。 2000/12/15 (2000/10/18) 嶋田 Trout Fishing in Japan 丈裕 _ _ _ ジャケットの面を被ったメンバーのイラストは、道化というより、そのルーツで ある Italia の伝統的な即興喜劇 Commedia dell'Arte のストック・キャラクターを 描いたものだ。実際、横浜 JAZZ プロムナードでは、Commedia dell'Arte の キャラクターの服装で演奏をしていた。逸脱や即興性といい、Carlo Actis Dato Quartet のコンセプトの一つに、Commedia dell'Arte 的なものがあるのだろう。 2001/5/27 嶋田 Trout Fishing in Japan 丈裕