Matthew Herbert / Various Artists
_Let's All Make Mistakes (Globus Mix Vol.5)_
(Tresor, 157, 2000, CD)
- 1)Alarmed (Lost Weight) 2)21st Kong (Nightmares On Wax) 3)Rockers (Isolee)
4)Pepperpot (Wishmountain) 5)The keeping of the kept (Pantytec)
6)Errorsmith EP#1-A1 (Errorsmith) 7)Bleep (DBX) 8)Dusty Cabinets (Theo Parrish)
9)Sing It Back (Herbert's Tasteful Dub Mix) (Moloko)
10)Technology's Out Of Control (Green Velvet) 11)Radio (Wishmountain)
12)Mistake (Herbert) 13)Eight (Buckfunk 3000 Remix) (Tube Jerk)
14)Def Jam (Auto Repeat) 15)Master Traktor (Traktor)
16)Test Tube Baby (Si Begg) 17)Back Back Back Back (Herbert)
18)M Seq (Mr. Oizo) 19)Shake It (DJ Deeon) 20)Hypochondriak (Plastikman)
21)Pigeon Fancier's Holiday (Radio boy) 22)La Musica (Hombre Ojo)
- Mixed and Compiled by Matthew Herbert on 2000/8/12.

deep house 的だったり electro 的だったりと一つに括りがたい音楽性を持つものの、
特に deep house 的なときの一つ一つの音のソフトな感じが個性的で、それが魅力の
Matthew Herbert (a.k.a. Doctor Rockit, Wishmountain, Radio Boy, etc) の
DJ mix のCDが出た。

DJ mix ということもあって、打ち込みなどはあくまでソフトに、むしろ、ぐいぐい
引っ張るようなベースラインによって生むノリが気持ちよい作りになっている。
自身による音源、自身が remix を手がけた音源も用いているが、もっと広く音源を
取りながら、Herbert らしい音世界を作り上げているのがさすがだ。自身による
remix 音源ではあるのだが、Moloko, "Sing It Back (Herbert's Tasteful Dub Mix)"
のような女性歌手のフィーチャーされた曲も、まるで Herbert with Dani Siciliano,
_Around The House_ (Phonography, GRAPHCD01, 1998, CD) のようになっている。

Agent Blue, _Blueprint_ (Life, LOWCD6, 1999, CD) のような Herbert が制作した
SSW的な作品や、下に挙げる Nils Petter Molvaer の remix のように、いささか
際な音をこういう DJ mix で繋ぐということも期待したのだけれど。この DJ mix
では、そういう音源は入っていない。あくまで DJ mix ということで、ノリを重視
した、ということもあるだろうけれど。

今年出た Doctor Rockit, _Indoor Firework_ (Lifelike, LL10CD, 2000, CD) よりも、
ずっと聴いていて気持ちよい作品に仕上がっている。お勧めだ。

Nils Petter Molvaer / Herbert,
_The Solid Ether Remixes Vol.1_
(ECM / Molvaer Music, 158 101-1, 2000, 12")
- A)Merciful (Herbert's We Mix) B)Solid Ether (Herbert's Horn Mix)

Matthew Herbert による remix が施された、Nils Petter Molvaer, _Solid Ether_
(ECM, ECM1772, 2000, CD) からのシングル。

ECM な音世界と Herbert な音世界が、どのように出会っているのか期待したのだが。
女性歌手 Sidsel Endersen の歌声をフィーチャーしたA面は、Dani Siciliano を
フィーチャーした Herbert の作品を知っているだけに、ちょっと期待外れ。むしろ、
B面の方が、カキカキした音とか絶妙で、deep house にちょっと electro 風味を
残したところが良い仕上がり。

ま、最初はこんなものだろうか。ジャケットもタイポグラフィに ECM らしさを
残しつつポップな仕上がりで良い。Vol.1 ということで、続編を楽しみにしていた
のだが、残念ながら出回っている様子は無い。

2000/11/
嶋田 Trout Fishing in Japan 丈裕