Flanger _Midnight Sound_ (Ntone, NTONECD40, 2000, CD) - 1)Nightbeat 1 2)Bosco's Disposable Driver 3)Midnight Sound 4)We Move 5)So What 6)Human Race Race 7)Angel Of Love 8)Nightbeat 2 9)Stepping Out Of My Dream - Performed and Arranged by Flanger. - Atom Heart (Rhodes,Yamaha Motion B,vibraphone,guitars,sampling), Burnt Friedman (Gretsch drums,percussion,sampling); Gustavo Errazuriz Hamilton (upright bass) on 5. Germany を拠点に活動する Burnt Friedman (a.k.a. Nonplace Urban Field, Drome, Burnd Friedman, Some More Crime) と、Germany から Santiago, Chile に拠点を移した Atom Heart の2人によるプロジェクト Flanger 。共に、 electronica の文脈から出てきたミュージシャンだが、このプロジェクトは sampling を用いているものの生音が基調である。 といっても、新作 _Midnight Sound_ では、Miles Davis の名曲 "So What" (_Kind Of Blue_ (Columbia, 1959) の1曲目) のカヴァーをしているが、それほど jazz 的な音には感じない。このカヴァー自体があまり魅力的なトラックでは ないし。Rhodes や vibes の音のせいか、1970s の fusion を思わせる音だと思う。 vibes のフレーズにしても、Burnt Friedman, _Con Ritmo_ (Nonplace, 3, 2000, CD) の単なる雰囲気程度に比べたら、本格的に弾こうと感じさせるものになっている ように思うが。 基本的にオンビートな展開でリズムがあまり伸縮する感じが無いし。それから、 ダウンテンポの際にスウィングするような感じがしないのは、ベースの引きが 弱いからのような気もする。dubwize な音処理も時折見せるのだが、ベースの 弱さからか、それほど効果的には感じなかった。このベースの弱さは、このアルバムの 一番のひっかかりかもしれない。そういう点では、アップテンポの曲、例えば 表題曲 "Midnight Sound" や "Human Race Race" のような半人力 drum'n'bass の 方が楽しめる。 _Con Ritmo_ よりは面白く、あともう一歩でずっと面白くなりそうなだけに、 つい否定的なコメントを並べてしまうのだが。やはり、ゲストを加えてセッション 色を強くした方が面白くなりそうな気がするのだった。 Flanger _Templates_ (Ntone, NTONECD33, 1999, CD) - 1)Music To Begin With 2)Options In The Fire 3)Endless Summer 4)Short Note With A Few 5)Studio Tan 6)Full On Scientist 7)Lata 8)Quicksilver Loom - Performed and Arranged by Flanger. - Burnt Friedman (Gretsch drums,percussion,sampling), Atom Heart (Rhodes,Yamaha Motion B,vibraphone,guitars,sampling). Flanger の1stは、去年に出た _Templates_ で、これは聴き逃していたのだが、 _Midnight Sound_ のリリースに併せて聴いてみた。音のコラージュからなる オープニングのせいか、2作目に比べて、生音っぽさは低いように感じる。 といってもに、オフビートな展開はこちらの方が多く、その音の採り方とかも ちょっと変わったことをやっている感じではあるのだが、何をしたいのか という焦点がいまいちボケているというか見えづらいように感じる。 2000/12/3 嶋田 Trout Fishing in Japan 丈裕