Various Artists
_Frikyiwa Collection 1_
(Frikyiwa, FRI008CD, 2000, CD)
- 1)Yankaw (Bassino Dub Mix) (Nahawa Doumbia / Aqua Bassino)
2)Koroduga (Setagaya-Segou Soul River Drive Mix) (Lobi Traore / Chari Chari)
3)Sida (Spider Mix) (Ibrahim Hamma Dicko / DJ Spider)
4)Ladilikan (Vocal Mix) (Djigui / Natty Bass Sound System)
5)Ladilikan (Dub Mix) (Djigui / Natty Bass Sound System)
6)Cinporoko Nonougoro (Jeff Sharel Mix) (Neba Solo / Jeff Sharel)
7)Fatien (New Sector Movement Mix) (Nahawa Doumbia / I.G. Culture)
8)Djoro (Aphrodisiac Hana-bi Sessions Mix)
(Abdoulaye Diabate / Tokyo 246 Av. Project)
9)Baba (Baba Sorcery Dub Mix) (Ibrahim Hamma Dicko / Doctor L.)
- Artistic Direction and Coordination: Frederic Galliano.

Various Artists
_Frikyiwa Collection 2_
(Frikyiwa, FRI010CD, 2000, CD)
- 1)Foronto (Llorca Mix) (Abdulaye Diabate / Llorca)
2)Yankaw (Catalyst Afrovisions Mix) (Nahawa Doumbia / Catalyst)
3)Sida (Grappa Mix) (Ibrahim Hamma Dicko / DJ Spider)
4)Noumou Foly (Frederic Galliano Mix) (Neba Solo / Frederic Galliano)
5)Ladiguian (Souen Mix) (Djigui / Souen)
6)Fatien (New Sector Movement Mix) (Nahawa Doumbia / I.G. Culture)
7)Ladilikan (Vocal And Dub Mix) (Djigui / Natty Bass Sound System)
8)Sayo (Pole Mix) (Lobi Traore / Pole)
- Artistic Direction and Coordination: Frederic Galliano.

Mali, West Africa のポピュラー音楽のリミックスを集めたCDが2枚リリース
されている。主に一連の12"でリリースされていたものを集めたものである。
音源は、旧仏領の West Africa や Madagascar、Reunion などを中心に Africa
のポピュラー音楽のリリースしている France のレーベル Cobalt のもの。
この音源のリミックスをリリースするレーベルとして、France の techno /
breakbeats のレーベル F Communication の傘下に作られたのが、Frikyiwa
である。仕掛け人は、Frederic Galliano.

このレーベルの活動に気付いたのは、Lobi Traore の Pole によるリミックス
が収録された12"でだったのだが。こうして2枚のCDに収められた17曲を通して
聴いても、一番面白いのは、この Lobi Traore / Pole, "Sayo (Pole Mix)" の
ように思う。半端な Africa 風のノリを残そうという邪気を見せずに、Pole の
特徴といえる minimal な電子音響に加工されているのだが、その上を遠めに
響くような minimal な歌声が逆に Africa 的な色合いを際立たせている。
唯一、明らかにダンスフロア向けの仕上がりではないものなのだけれども、
それが逆に面白かった。しかし、他の多くの作品は、ダンスビートとしての
強さも感じないし、かといって、楽器の音色や歌声の扱いも、単なる Africa
っぽさの演出という感じに退いてしまっている感じだ。そんな中では、
I.G. Culture の手がけた Nahahwa Doumbia, "Fatien" のリミックス
(Collection 1 と 2 は曲名は同じだが違うリミックスになっている。) は、
electro funk 風のはっきりしたリズムが気持ち良い出来になっていると思う。
Africa 風の音という点では、Balafons の音が大きくフィーチャーされが、
Neba Solo の曲を元ネタにしたものが面白いだろうか。

ちなみに、このような企画は今に始まったわけでない。まだ world music ブーム
が冷め切っていなかった1990年代半ばにも、Rachid Taha, Khaled, Mory Kante と
いった Barclay レーベル音源の North 〜 West Africa のポピュラー音楽を
Hardfloor や Lionrock、Fluke といったDJが remix した12"シリーズがあった。
それらを纏めた Various Artists, _Going Global Series_ (Barclay, 851 773-2,
1995, 10CDS box) や、その要約版である Various Artists, _Going Global Series
- Voila!_ (Barclay, 527 392-2, 1995, CD) もリリースされた。それらにしても、
やはり、面白かったとはたいして思っていない。かといって、African pop の
techno / breakbeats による remix の試みが、一般に African pop の良さを
殺すようなダメなもの、単なる流行で終わるようなものだとは、必ずしも思わない。
地道に続けていって欲しい企画だ。

しかし、Cobalt のCDも、それほど容易に入手できるものではないだけに、
これに合わせて元ネタとなったリミックスされる前の音源を集めた編集盤も
リリースされると面白いように思うのだが。

2000/12/23
嶋田 Trout Fishing in Japan 丈裕