Bjork, "All Is Full Of Love" の remix を聴いて以来、気になっていたユニット
だが、遅れ馳せながら去年のアルバムを入手したので、一作年の remix を集めた
編集盤と併せて紹介したい。

Funkstoerung / Various Artists
_Additional Productions_
(Studio K7, !K7R028CD, 1999, CD)
- 1)Children Of The Rave Solution (Visited by Funkstoerung) (Visit Venus)
2)Tried By 12 (Tried by Funkstoerung) (East Flatbush Project)
3)No. 9 (No. 9.5 by Funkstoerung) (Various Artists)
4)All Is Full Of Love (In Love With Funkstoerung) (Bjork)
5)Mind My Make-Up (Made-Up by Funkstoerung) (Finitribe)
6)Bust It (DJ Craze with Funkstoerung)
7)Reunited (Reunixed by Funkstoerung) (Wu-Tang Clan)
8)Henryk (Synkopic Reprogrammed by Funkstoerung) (S'Apex)

Funkstoerung
_Appetite For Disctruction_
(Studio K7, !K7087CD, 2000, CD)
- 1)Test 2)Appetite For Disctruction 3)Try Dried Frogs
4)Sounds Like A Breakrecord (feat. Triple H) 5)Grammy Winners (feat. Triple H)
6)A8 KM34 7)Think! (feat. Greenwood) 8)I/O (feat. Carin)
9)Red Shirt, White Shoes (feat. Carin) 10)A Bottle, A Box, And A Mic
11)Mind The Gap

1990年代末に Germany から出てきた Michael Fakesch と Chris De Luca の2人に
よる techno のユニット。1990年代半ばであれば Warp レーベルの "Artificial
Intelligence" シリーズから出てきそうな、Autechre や Aphex Twin にも似た、
いささかオフビートな感覚もある音作りを特徴に持つ音を作っている。といっても、
1990年代後半の Alphex Twin のような drum'n'bass のような uptempo な方向に
あまり流れることなく (全く無いわけではない)、ambient 的というより、むしろ
hip hop 的な downtempo な音作りが気持ち良い。Bjork の "All Is Full Of Love"
にしても、スローなバラードなわけだが、uptempo なビートで埋め尽くすことなく、
間合いのあるオフビートな電子音を散りばめたような作りが良いものになっている。
US hip hop の Wu-Tang Clan, "Reunited" の remix も手がけているわけだが、
rap を組み合わせの相性も良い。

_Appetite For Disctuction_ にも、男性MCの Triple H をフィーチャーした
rap / hip hop 風の曲 (特に "Grammy Winners" はシングル曲。) もあるし、
浮遊するような歌声の女性歌手 Greenwood や Carin をフィーチャーした曲があり、
downtempo の音作りはこういう試みと合うように思う。それだけに、Bjork ほど
でなくても良いから、癖というかキャッチのある歌手やMCがフィーチャーできれば
もっと良くなるのに、と感じるところもある。

もちろん、downtempo であることだけでなく、生音っぽいサンプルを使ってジャジーに
仕上げたような downtempo breakbeats と対称的に、金属のバネが弾けるような
金属的な感じのする、それも重く歪んだサンプルの音色でそれを構成していると
いうのも、彼らの特徴だと思うし、それが気にいっている点でもあるのだが。

ジャケットデザインは The Desiners Republic が手がけている。Switzerland の
"Neue Grafik" のパロディという感じも、実際の音だけでなく、Autechre や
Aphex Twin のフォロワーというイメージを強くしているように思うが。

ちなみに、_Appetite For Distruction_ には最後にシークレットトラックが
収録されている。

2001/1/28
嶋田 Trout Fishing in Japan 丈裕