Peaches _The Teaches Of Peaches_ (Kitty-Yo, KY00033CD, 2000, CD) - 1)Fuck The Pain Away 2)Aa Xxx 3)Rock Show 4)Set It Off 5)Cum Undun 6)Diddle My Skittle 7)Hot Rod 8)Lovertits 9)Suck And Let Go 10)Sucker 11)Felix Partz - Made, Mixed and Mutilated by Peaches. Tarwater や To Rococo Rot など、post-rock 的なバンドを多く抱える Germay のレーベル Kitty-Yo からのリリースだが、Canada 出身の女性 Merrill Nisker のソロプロジェクト。確かに、打ち込みからなる音だが、post-rock 的というより、 むしろ punk 的という意味で rock 的だ。(彼女は、ギターをMC505に持ち替えた そうだが、それを "my MC5" と呼んでいるそうだ。) electronica 的な音響作り からの影響も覗くが、全体的な印象は、荒削りではない Suicide、とでもいう 感じのトラック作りだ。 曲は基本的に歌付きなのだが、メロディアスに歌うというものではない。ただ、 金切り声で叫ぶというより、低く落ち着いた声で語るという感じのものが多い。 ただ、あまり辛辣という感じでもない。もう一癖あるともっと良くなるように 思うのだが。もっと間合いを使ったものなどは、なかり electro pop っぽい 感じもある。 歌詞カードが付いていないので誤解もあるかもしれないが、かなり性的な歌詞を 歌っているように思う。しかし、post-punk 期の女性/男女混成バンドに見られた ようなそれに対する疑念を提示するという類のものでななく、かなり快楽主義的 なようにも思われる。そこが、その音作りと妙にアンバランスな気がして、 ちょっと引っかかるところがある。それだから良いのかもしれないが…。 とても良い、というわけではないが、ちょっとひっかかる佳作だ。 2001/2/24 嶋田 Trout Fishing in Japan 丈裕