Farmers Market Tribute to the Love Generation, 台場, http://www.mediage.co.jp/TLG/ . 2001/6/17, 19:30- - Stian Carstensen (accordion,kaval,banjo,guitar), Trifon Frifonov (saxophone,clarinet), Nils Olav Johansen (guitar,vocal), Finn Guttormsen (bass), Jarie Vespestad (drums). Bulgaria 出身の Trifon Frifonov 以外 Norway 出身の、Balkan / Gypsy folk 的な曲を中心バンド Farmers Market のライヴは、CDで聴いて想像していた 以上にコミカルだった。 ロック的に電化されたリズムセクションで Balkan 的な変拍子を刻む前で、 accordion と sax が Balkan folk 的なフレーズを吹きまくる、という展開が 基調なのだが。その間に必ずのように音が小さくなるときがあって、そこで ウケを狙った演奏をしたり歌を歌ったりするのだ。音が大きい時は、比較的 真面目に演奏しているので、ドタバタっぽくはない。音楽的な雑食性という 点でも Italy の Carlo Actis Dato Quartet のこととか思い出したりするのだが、 彼らの Commedia dell'Arte を踏まえたステージくらい、ウケを狙うところも 気合を入れればいいのに、と思わなかったわけでもないが。高速の変拍子の 演奏をビシっと決めることができるという技術のおかげもあって、ま、微笑 ましいというところか。CDで受ける印象以上に、jazz vocal ネタが多かった というのも意外。ちなみに、このウケを狙うあたりは、フロントの Carstensen 以上に、guitar の Johansen が目立っていた。 ちなみに、(MCを聞き間違えていなければ) 45曲 (それも pop / rock から jazz から folk までジャンルを問わず有名な曲) を一気にメドレーする "Tails Of The Unexpected" (_Musikk Fra Hybridene_ (Kirkelig Kulturverksted, FXCD182, 1997, CD) 所収) や、jazz のスタンダード曲 "Take Five" を Balkan 的な 11/16拍子で演奏する "Take 11" (_Speed/Balkan/Boogie_ (Kirkelig Kulturverksted, FXCD148, 1995, CD) も、しっかり演奏してくれた。 しかし、Balkan 的な11拍子で始めて、オリジナルの5拍子に戻して、最後に デス声入り2拍子になっていたが。これらを、後半終わり近くに持ってきた ところを見ても、これは盛り上げネタなのだろう。 こうしてライヴを観ると、3rd アルバム _Farmers Market_ (Winter & Winter, 910 056-2, 2000, CD) は、大人しく作ってあったのだなと思う。前半後半の どちらかを、ダンサブルでドライヴ感のある演奏で纏めて欲しかったと思ったが。 会場が立席で無かったので、これでも良かったのかもしれない。 というわけで、凄い音・演奏を聴いてしまった、というより、ちょっと和んだ、 という後味のステージだった。単独ライヴよりもフェスティバルとかの方が 盛り上がりそう、と思ってもしまったけれど。 2001/6/17 嶋田 Trout Fishing in Japan 丈裕