Kimmo Pohjonen & Maria Kalaniemi Tribute to the Love Generation, 台場 2001/8/12, 19:00- - Maria Kalaniemi (accordion), Timo Alakotila (piano), Olli Varis (guitar); Kimmo Pohjonen (accordion,voice,live electronics). Finland の2人の accordion 奏者のライヴは、かなり対称的なアプローチを 観せてくれた。どちらが良いというよりも、その二者が並置されているような 感じが良かったと思う。 最初のセットは、Maria Kalaniemi のアコースティックな trio 編成によるもの。 folk 的なリズムや旋律に基づいた曲で、3人による即興的なスリリングな 掛け合いは無し。主役の Kalaniemi がゆったり accordion を聞かせ、残りの 二者は伴奏に徹する、という感じ。バンド Aldargaz を率いての2枚のアルバム _Iho_ (1995) や _Ahma_ (1999) よりも、もっとゆったりした感じ。 Accordion Tribe, _Accordion Tribe_ (Intuition, 1999) では、美しい歌声を 披露していたわけだが、このセットでは歌うことが無かったのが、少々残念。 Kalaniemi の accordion は巧いし、accordion を弾いている姿にもそれなりに 華があるので、楽しめるものではあったが。アンコールは1回。 続くセットは Kimmo Pohjonen のソロパフォーマンス。単なる演奏というより 演奏をベースとして、無言劇的な動きを取り入れたパフォーマンスと言った方が しっくりするものだった。ピックアップを付けた accordion とヘッドセット マイクから音を拾い、フットベダルでループやディレイを操作して、live で 音を組みたてていく。accordion を叩いたりキーをかき鳴らしたり口を鳴らす 音から、リズムトラックを組みたてて行くあたり、特に今年の2月に観た Matthew Herbert のステージと共通する所も多かった。さらに、専属の音響 スタッフを使い会場内で音像を動かしたり、やはり専属の照明スタッフを用い スモークを焚いて照明の効果を出したり。唸り声を上げながらステージの上を ギクシャクと歩き回ったり、と、いささかエキセントリックな感じを強調して いたけれども、ユーモラス。フリーキーな演奏や live electronics の使い方も、 イデオム排した音出しの可能性の追求というよりも、パフォーマンス性を 生かすためのものという感じで、エンターテイメント的にも練られた舞台だった ように思う。そして、それが気にいった。しかし、CDで音だけ聴いていても、 この面白さは伝わらないようにも思ってしまった。アンコール2回目でも、 このソロパフォーマンスを見せてくれた。 Pohjonen のアンコールの1回目で、Pojhonen と Kalaniemi の duo の演奏が 聴かれた。Pojhonen もパフォーマンス的な面は抑えて live electronics で 軽く音を弄った accordion & voice。対する Kalaniemi もさえずるような コーラスを付けつつ弾いていたが、コブシでトーンクラスターを出すなど、 trio での演奏では見せなかった激し目の演奏も。一曲だけでおしまいだったの だけれど、こういう共演ももっと聴かせて欲しかったように思う。対称的な二者の 中間的なアプローチ、という点でも。 2001/8/13 嶋田 Trout Fishing in Japan 丈裕