Various Artists / Andrew Weatherall
_Hypercity_
(Force Tracks, FT30, 2001, CD)
- 1)Human Patterns (M.R.I.) 2)To Be Honest (M.R.I.)
3)Lunar Dive (A Nov) 4)Lawn For Show (Safty Scissors)
5)Polsterplanet (Crane A.K.) 6)Middle Of The Way (SCSI 9)
7)Regenwelt (Crane A.K.) 8)Form From Morf (Safty Scissors)
9)Relaxation (M.R.I.) 10)Hose In Yard (Safty Scissors)
11)Silverfinger (D. Diggler) 12)Daisy Love (Crane A.K.)
13)Leponx (Junkie Sartre & Hexaquart) 14)More Facts (Hakan Lidbo)
15)Tessio (Mathias Mchaffhaeuser Decomposed Subsonic Remix)
- Compiled and Mixed by Andrew Wetherall.

Frankfurt, Germany のレーベル Force Inc. 傘下に最近出来た Force Tracks は、
最近 Germany の Playhouse や Perlon といったレーベル界隈で隆盛している
micro house と呼ばれる deep house をさらに minimal にしたような音を
リリースしている。_Hypercity_ は Force Tracks のサンプラー的な意味合いもある
編集盤だが、DJ mix 盤となっている。

選曲と mix は、Andrew Weatherall (Sabre Of Paradis, Two Lonesome Swordmen)
だが、音源が Force Tracks のものに限られており、それほど Weatherall の
個性が出ているという感じではない。micro house の DJ mix 盤といえば、
Matthew Herbert / Various Artists, _Let's All Make Mistakes (Globus Mix Vol.5)_
(Tresor, 157, 2000, CD) が思い出されるわけだが、このような変化に富んだ展開は
_Hypercity_ には期待できない。しかし、micro house のような音は、単に音源を
ぶつぶつに切って並べて収録するよりも、DJ mix にした方がドライヴ感が出て
良いように思う。流しておくと気持ち良く、なかなか良い出来だと思う。

淡々とした中ではっと耳を惹くのは、やはり女性歌手をフィーチャーした Luomo の
トラック。Finland 出身で Chain Reaction や Mille Plateaux からのリリース
で知られる Vladislav Delay の house ユニットなのだが。女性歌手はちょっと
オフながら R&B 的なニュアンスも持たせた感じで、悪くない。こういう音作りも
していたのか、と、かなり意外。

音的にはそれほど目立つわけではないが、Russia の DJ、Anton Kubikov が
SCSI-9 名義で参加していたのが意外だった。ちなみに、以前にリリースした
Russian improv. vs folk vs techno 的な Ensemble 4:33 & Nete & DJ Kubikov,
_Falls_ (Long Arms, CDLA9706, 1997, CD) は、その企画のせいもあるのだろうが、
もっとオフビートな音作りをしている。

2001/8/20
嶋田 Trout Fishing in Japan 丈裕