Les Elles
_Pamela Peacemaker_
(Mohican, 525 540 2, 2000, CD)
- 1)Pamela Peacemaker 2)Armand 3)Ah 4)The Player
5)La Belle Au Bois Dormant Du 3eme Type 6)Blockhaus 7)Gentille
8)L'Enfant Bulle 9)Stationplay 10)La Blouse 11)Le Pirate 12)Shamallow
13)Letter A Luna 14)Noel 15)La Bulle
- Paroles et Musique: Pascaline Herveet.
Arrengements: Les Elles / Pierre Millet / Stephane Diatchenko.
- Pascaline Herveet (chant), Sophie Henry (orgue,piano,accordeon),
Christine Lapouze (violoncelle,voilon);
Pierre Millet (trompette,flute,coquillage),
Stephane Diatchenko (programmation,sampling).

Les Elles
_En Scene_
(Mohican, 534 189 2, 2001, CD)
- 1)Les Avions 2)Mauvais Sang 3)Blockhaus 4)Tati
5)La Belle Au Bois Dormant Du 3eme Type 6)Alors 7)Letter A Luna
8)Orthopedia 9)La Blouse 10)Jesus 11)Station Play 12)Le Pirate
13)Le Talons Hauts 14)Le Vase Chinois 15)Pamela Peachmaker 16)Roma
17)Moi J'aime Bien 18)La Chatte De Mr Clock 19)Quand Je S'rai Vieille
- Recorded 2001/3/22-24.
Paroles et Musique: Pascaline Herveet.
Arrengements: Les Elles / Pierre Millet / Stephane Diatchenko.
- Pascaline Herveet (chant), Sophie Henry (piano,orgue);
Pierre Millet (trompette,bugle), Stephane Diatchenko (programmation),
Cecile Girard (violoncelle), Nicolas Fiszman (basse).

1990年代後半に、Normandie, France から出てきた女性バンド Les Elles が、
いつのまにか punk folk な老舗独立系レーベル Boucherie Prod. から、
EMI配給の Mohican に移籍して2枚のアルバム (1枚はライヴ盤) をリリースしていた。
実質、Pascaline Herveet と Sophie Henry の2人のユニットになっているようで、
Pierre Millet と Stephane Diatchenko の男性2人が準メンバー的な存在として
音作りに大きく参加している。

以前の2枚のアルバム (_Les Elles_ (Boucherie Prod., BP3211, 1995, CD) と
_Les Elles_ (Boucherie Prod., BP3212, 1997, CD)) が、アコースティックな
だったのに対して、この2作では、Diatchenko の参加によって、リズムの打ち込みや
electronica な音が全面的に使われるようになっている。といっても、techno や
house な曲として通用する、という使われ方ではないが。アコスティックな
piano や cello の響きなどが生んでいた不気味な感じは後退したように感じるが、
この electronica の導入は巧くいっているように思う。drum'n'bass 的な
打ち込みが使われたりすると、ちょっとズレるように思うけれども。downtempo な
曲などは、downtempo breakbeats な女性歌物 (Portishead など) に寄った仕上りで、
なかなか面白い。

ちょっとミュートしたようなとぼけた感じの Millet の brass の音も、全面的に
使われていて、Henry の accordion などの音と良い組み合わせになっているように
思うし。なんといっても、前2作同様に、Herveet のいささかエキセントリックな
歌唱の印象も相変わらず強烈なのが良い。

ライヴ盤 _En Scene_ も、基本的に _Pamela Peacemaker_ と同じ編成とアレンジに
よるもので、ライヴならではの音という感じでもない。リーフレットのライヴの
様子を捉えた写真を観ても、音から受ける印象ほどには芝居がかったステージでは
ないようだ。そういう点では、_Pamela Peacemaker_ からの曲よりも、以前の
2作からの曲を、リズムを強化したアレンジで演奏しているのが良い。ライヴと
いうこともあるのだろうが、畳み掛けるような勢いがある。

2001/01/06
嶋田 Trout Fishing in Japan 丈裕