1年以上前のリリースだが、遅れ馳せながら入手して聴いてみたら、とても
良かったので、紹介したい。

Chateau Flight
_Puzzle_
(Versatile, VERCD004, 2000, CD)
- 1)Chato Flight Loves You 2)Camping Jazz 3)Instant Replay
4)Frontal Funk 5)Auto-Power 6)Prism 7)Bizarre 8)Rituel 9)Flying Machine
10)Poesie Champetre 11)Heureuse
- Written and Produced by Gilbert Cohen (Gilb'r) & Nicolas Chaix (I:Cube).

1990年代後半から Paris, France を拠点に活動する jazzy house / breakbeats な
ユニットが Gilb'r & I:Cube とこ Chateau Flight だ。僕が彼らを知ったのは、
_Free Zone 6: Fourth Person Singular_ (SSR, SSR227, 1999, 2CD) や、
Femi Kuti, _Shoki Remixed_ (Barclay, 543 190-2, 1999, 2CD) でだった。
Bebel Gilberto, _Tanto Tempo Remixes_ (Ziriguiboom, ZIR10, 2001, CD)
での仕事も良かったが。

_Free Zone 6: Fourth Person Singular_ のオープニングを飾る "Champing Jazz"
のような5拍子のリズムにしても、ギクシャクしたというのでなく、テイク5で
スウィングするような、というか、回転するようなノリが良かったわけだが。
ハチロクの "Frontal Funk" も同様なのだが。2拍子4拍子ではないリズムを使って、
オフビートな感じを強調するのではなく、ノリを生かしているのが良いし、
このアルバムで最も気に入っているのは、こういった曲だ。

もっと、もっと普通のリズムの曲がメインではない。そういう感じの曲ばかりだと、
逆に単調になったかもしれない。house 的なノリの曲もあるし、もっとスローな
曲もある。その展開も絶妙だと思う。通して飽きずに楽しめたアルバムだった。

ところで、クレジットに Special Thanks: Brigitte Fontaine, Pierre Barouh
and All at Saravah pour "Il se passe des choses" とあるのだけれど、どういう
経緯なのか少々気になる。

Various Artists
_Versatile Family Album_
(Versatile, VERCD005, 2001, CD)
- 1)Paris Romance (Gilb'r vs U-Roy) 2)La Patinoire (Faceball 2000)
3)Eve (Soha (a.k.a. Julien Jabre et DJ Gregory)) 4)Birds (Chateau Flight)
5)Swalufu (Tchok) 6)Tree Of Life (Osunlade) 7)I Think Of You (Just Jaekin)
8)Auto-Power (4 Hero Remix) (Chateau Flight) 9)Family Tree (I:Cube)
10)Spazzum (Focus) 11)Theme Du Loup (Joachim) 12)This World (Pariss Clemons)
13)The Killer (DJ Mehdi / Espion) 14)Monkey Planet (Rima).

さて、Chateau Flight のレーベル Vertical が5周年を迎えた、といことで、
記念のアンソロジーが、去年リリースされていた。

オープニングが、reggae の old toaster DJ の U-Roy。Gilb'r の作る緩く軽快な
house のトラックに、これが見事にハマっていて、こういう組み合わせもアリか、
と思わせてくれた。

最も気に入ったのは、Tchok, "Swalufu"。これも、Chateau Flight, "Frontal Funk"
にしてもハチロクのリズムなのだけれど。African pop に特徴的な rhythm guitar が
フィーチャーされているわけではないけれど、こういうリズム使いは、その影響
なのだろうか、と思うところもある。

退屈な曲もなかったわけではないけど、今までのリリースや今後の展開が気になる
くらいの質をクリアしている好盤だった。

2002/1/20
嶋田 Trout Fishing in Japan 丈裕