techno 発祥の街 Detroit, MI, USA で、Detroit Electric Music Festival (DEMF, http://www.demf.org/ ) が2000年からアニュアルで開催されている。 アニュアルで大規模に開催される dance 音楽イベントというのは、他にもいろいろ あるけれども、"Electric Music Festival" という名称は、rave 以降のイベント と違って、ちょっと堅い印象を与える。しかし、post-rock や improv. で電子音響的 なアプローチを取るアーティストは参加していないので、あくまで dance-oriented という拘りはあるようだ。しかし、"electric music" ということで、いわゆる techno のイベントというより、少し文脈を広く捉えているよう。2001 年の ライナップでは、Autechre や Gilb'r & I:Cube のような欧州勢や、house の文脈の アーティストはもちろん、De La Soul や Mix Master Mike のような hip hop の アーティストも参加している。 2000年から2001年へかなり規模を大きくしたようで、今後どういう方向に展開 していくのかも気になるが。関連してCDがリリースされているので、遅れ馳せ ながら紹介。 Various Artists / Carl Craig _All Access_ (Planet E, PE65264, 2001, CD) - 1)On And On (Aril Brikha) 2)Sweet (Black Odyssey) 3)Minus Orange (Video Mix) (Richie Hawtin) 4)The Playground (Random Noise Generation) 5)Friday Night (Lacksideisycal feat. Slum Village, Breakfast Club & Brown Skin) 6)Good Love (Reese Deeper Dub) (Inner City) 7)The Last Laugh (Ibex) 8)Common Factor (Get Down) 9)Can't Take It (Herbert Remix) (Recloose) 10)Day From Hell (Theorem vs. Swayzak) 11)Suspended Animation (Shake) 12)Clavia's North (Dark Comedy) 13)Knowing Dub (Bill Van Loo) 14)Low Key (Double Helix) - Compiled by DEMF co-founder and creative director Carl Craig. DEMF の仕掛け人で techno のアーティスト Carl Crail 編集したこの編集盤は、 DEMF 参加ミュージシャンのアーティストのサンプラー盤とでもいう内容。 DJ mix にはなっていない。選曲は techno / house に偏って、少々 minimal 的な 仕上りだろうか。全体として外れと感じる時が少なく、DEMF 関連ということ抜きに、 素で楽しめる編集盤になっていると思う。 そんな中で、最も気にいったのは、Recloose, "Can't Take It (Hebert Remix)"。 ソフトな音色といい、Matthew Herbert らしい仕上りだ。続く Theorem vs. Swayzak, "Day From Hell" (Richie Hawtin の Minus レーベル) のソフトに脈動的な minimal techno という感じで良い。 Various Artists, _Geology - A Subjective History Of Planet E_, Volume One (Planet E, PLE65249, 1999, CD) や、Various Artists, _G2 - Geology - A Subjective History Of Planet E_, Volume Two (Planet E, PLE65257, 2001, CD) などがそうなのだが、最近、Carl Craig は自身のレーベル Planet E から、 アルバム、というよりもシングルの音源を集めた編集CDのリリースを積極的に 行っているように感じる。シングルを中心に展開しているシーンだけに、シングルを マメに追いかける気合の無い人にとっては、このようなCDのリリースは有り難い。 おかげで、僕にとっても Carl Craig 界隈の音が身近になり、良いなぁ、と思う ことが多くなったように思う。 2002/01/20 嶋田 Trout Fishing in Japan 丈裕