Bill Ware feat. Marc Ribot _Sir Duke_ (Knitting Factory, KFW295, 2001, CD) - 1)C Jam Blues 2)I Git It Bad 3)In A Sentimental Mood 4)Mood Indigo 5)It Don't Mean A Thing 6)Solitude 7)Caravan 8)Come Sunday 9)Take The "A" Train 10)Sophisticated Lady - Bill Ware (electric Vibraphone), Marc Ribot (electric guitar). 元 Jazz Passengers の vibes 奏者 Ware が、やはり、Lounge Lizards や その近傍で活躍してきた (最近目立つのは、Cuba 音楽のプロジェクト Los Cubanos Postizos の活動だが) guitar 奏者 Marc Ribot と組んで作った 新作は、なんと swing jazz の巨匠 Duke Ellington のカヴァー集。 New York down town シーンで活躍してきた2人だけに、electro に音を歪めたり 時に即興的になったりフリーキーな演奏に突入したりして、Ellington の変な 解釈をしてみせているかと思いきや、そんな部分は全くなし。vibes と guitar の 組み合わせというと、Gary Burton / Pat Metheny や Dave Pike / Volker Kriegel といった1970年前後に出てきたコンビも連想もするが、そんな rock 色も全く無い。 音数少なくしっとり聴かせるような仕上りだった。 Ware の vibes 奏者は、ビブラートを強めに旋律を弾く単音を重ねていくと いう感じだ。対する Ribot の guitar の位置は、伴奏に徹するでも、ソロを 取りまくるでもなく、bass のような低音になったかと思うと軽快に弾いて みたりと、絶妙の自己主張を持って音を繰り出してくる。ふと、Jimmy Guiffre と一緒の頃の1950年代の Jim Hall を連想してしまった。音で埋めつくすことなく、 間合いを感じさせるところも良い。_Caravan_ のようなアップテンポの曲も カッコ良い。 新しい解釈で驚かせる、ってほどの作品ではないが、ほっと一息つける一枚 として気に入っている。 2002/01/27 嶋田 Trout Fishing in Japan 丈裕