Misha Mengelberg Quartet
_Four In One_
(Songlines, SGLSA1535-5, 2001, SACD/CD)
- 1)Hypochristmutreefuzz 2)Reef 3)Kneebus 4)Die Berge Schuetzen Die Heimat
5)Four In One 6)Monk's Mood 7)Criss Cross 8)Blues After Piet
9)Kwela P'Kwana 10)We're Going Out For Italian 11)Poor Wheel
- Produced by Dave Douglas.  Recorded 2000/9/26
- Misha Mengelberg (piano), Dave Douglas (trumpet), Brad Jones (bass),
Han Bennink (percussion).

ICP を率いて free jazz / improv. シーンで活躍する Holland の piano 奏者
Misha Mengelberg の新作は、New York downtown シーンで活躍する2人を含む
4tet 編成。Brad Jones (b) / Joey Baron (ds) との Misha Mengelberg Trio,
_Who's Bridge_ (Avant, AVANT038, 1994, CD) や、Han Bennink / Dave Douglas,
_Serpentine_ (Songlines, SGL1510-2, 1996, CD) に連なる演奏だ。

しかし、Monk の曲も3曲 (5,6,7曲目) あるし、Mengelberg のキャラクターか、
4tet という編成か、_Serpentine_ のようなおもちゃ箱を取っ散らかしたような
improv. な展開は少ない。もっと直球に jazz 的な展開だ。アウトな展開は
ちょっとした薬味といったところか。

Dudu Pukuwana に捧げた South African jazz 的な "Kwela P'Kwana" の、軽快な
ノリがちょっと躓くような感じになっているところとが新鮮だったが。相変わらずな
Monk な曲も悪くないけれど、全体としては、もっと外れた感じを出してハッと
させて欲しかったように思う。悪くはないけれど、小粒だ。

ちなみに、このCDは、Super Audio CD (SACD) 仕様でリリースされている。
しかし、従来のCDの層との2層の仕様を採用しているので、従来のCD再生機でも
再生できる。

ICP Orchestra
_Oh, My Dog!_
(ICP, ICP040, 2001, CD)
- 1)Write Down Exactly 2)A Close Encounter With Charles's Country Band
3)Precise Dimensions And Weight 4)A La Russe 5)Travel Agent 6)Ham On Air
7)Hand And Checked Luggage 8)Oh My Deer! 9)Wild Turkey 10)Out Back / Chickadee
- Recorded 2001/6/19,20.
- Micha Mengelberg (piano), Han Bennink (drums), Mary Olivier (violin,viola),
Tristan Honsinger (cello), Ernst Glerun (bass), Ab Baars (tenor sax,clarinet),
Michael Moore (alto sax,clarinet), Wolter Wierbos (trombone),
Thomas Heberer (trumpet).

Mengelberg の率いる free jazz / improv. のビックバンド ICP Orchestra も
新譜をリリースしている。Ernst Reijseger (cello) が抜けて Mary Olivier が
加わっている以外は、_Jubilee Varia_ (harOLOGY, 528, 1999, CD) と編成は同じ。

けど、_Jubilee Varia_ ほど抽象的な感じではなく、元ネタをズラすような
曲もけっこうある。特に、アルバム・タイトルもそこから取られている Honsinger
の一連の曲 8〜12曲目など、ちょっとノスタルジックなブラスバンドが時折脱線
する感じで、それが気に入っている。(Honsinger の曲だというのは以外だが。)
Ab Baars の Charles Ives を受けた2曲目も悪くない。

ただ、こういう post-Modern なアプローチの ICP なら、_Bospaadje Konijnehol I_
(ICP, ICP028, 1991, CD) と _Bospaadje Konijnehol II_ (ICP, ICP028, 1991, CD)
をまず薦めたいようにも思うが。

Ernst Reijseger / Alan 'Gunga' Purves
_Cellotape & Scotchtape_
(Data, DATA822, CD)
- 1)Surdu & Cello 2)Honggong 3)Shakers & Kalimba 4)Dijsco 5)Opstreek
6)Rekwela 7)Gongfetti 8)Drumduet nr.1
- 1) Recorded 1981/11/29.  2,6-8) Recorded 1982/7/17.
3) Recorded 1982/01/24 4).  4) Recorded 1982/06/29.  5) Recored 1982/1/28.
- Ernst Reijseger (cello,kalimba,percussion),
Alan 'Gunga' Purves (drums,percussion,shakers).

_Oh, My Dog!_ に参加していないのは、一時的なものなのかそうでないのか気になる
Ernst Reiseger だが、1980年代初期の録音の LP がCD化されたので軽く紹介。

Sardinia 男声コーラスとの共演 Ernst Reijseger / Tenore e Cuncordu de Orosei,
_Colla Voche_ (Winter & Winter, 910 037-2, 1999, CD) にも参加していた
Scotland の percussion 奏者との duo 作品。

抽象的な improv. でも、jazz 的でもなく、反復感のある Purves のリズムや、
Reisejer の取りとめない旋律とか、特定できないが、エスニック感がある。
kalimba のような楽器を使ったり、タイトルからして South Africa 的な "Rekwela"
のような曲 (この軽快な曲が最も気に入っている。) もあるので、Africa 的な
ものを意識したところもあるのだろうか。_Colla Voche_ で South Africa 的な
要素を感じたのだけれど、なるほど、"Rekwela" のような曲にルーツがあったのか、
と思った。world music 、というか、folk-influenced な jazz / improv. が好き
な人なら、気に入る作品ではないだろうか。

2002/01/27
嶋田 Trout Fishing in Japan 丈裕