Iva Bittova _Cikori_ (Indies, MAN150-2, 2001, CD) - 1)Kocka 2)Mravenci Sila 3)Kridla 4)Jungle 5)Prani 6)Prvni 7)Polykacka Nozu 8)Zapiskej 9)Kazu - Iva Bittova (violin,voice,kazu), Vladimir Vaclavek (acoustic guitar), Frantisek Kucera (trumpet,flugelhorn), Jaromir Honzak (contrabass), Milos Dvoracek (drums,percussion). Fred Frith らの共演など活動によって欧米で注目されるようになった Czech rep. の violin 奏者 / 歌手 Bittova の新作は、Vaclavek (ex-Dunaj) を中心とする アコースティックなバンド Cikori を率いての佳作だ。 基本的に rock 的なタテノリだが、ハチロクのリズムの、contrabass の音色の おかげで、東欧 folk 的というよりも jazz 的に感じる。このバンドで大きな役割を 果たしているのは、Kucera の brass の音色のように思う。甘くなく、鋭過ぎる ことなく、Bittova のスキャット的な抽象的な歌唱とよい対比となっている。 ほとんどアウトな音は使わず、むしろメロディのよさを生かしているように思う。 Vaclavek はあまり派手なソロは取らず、澄んだ acoustic guitar の音でサポート という感じだ。 drum'n'bass のリズムを意識したかのようなアップテンポな曲 "Jungle" も緊張感 高くて好きだが、ゆったりした "Polykacka Nozu" も気持ち良い。 ソロのアンソロジー Iva Bittova, _Iva Bittova_ (Nonsuch, 79455-2, 1997, CD) では緊張感ある彼女の演奏を楽しめたが、1990年代に Rachot レーベルからリリース された Czech の rock バンド Dunaj との共演盤は音作りが古臭いし、Tom Cora の 参加も話題だった Cikori の先駆けとも言える Iva Bittova / Vladimir Vaclavek, _Bile Inferno_ (Indies, MAN055-2, 1997, 2CD) は、CD2枚という長さもあって いささかとりとめない印象だった。Cikori はバンドを固定したこともあるのが、 とてもまとまりと勢いがある作品になっていると思う。 このCDのリリースは、Czech 第二の都市 Brno の独立系レーベル Indies 。Prague の Rachot レーベルと並んで、Slede, Zive Slede など、Czech の alternative な 音楽を積極的にリリースしている興味深いレーベルだ。注目したい。 2002/06/23 嶋田 Trout Fishing in Japan 丈裕