Collectif Polysons _Folklore Moderne_ (Quoi De Neuf Docteur, DOC066, 2002, CD) - 1)Jungle Spiel 2)La Cauale Du Fou 3)Barbarian Pride 4)Polkaba 5)Le Supplice De La Roue 6)Imax 7)Polkaba (Organ Version) - Recorded 2001/12/17-19. - Serge Adam (trumpet), Pierre-Olivier Gouin (soprano, alt & bariton saxophone, bass clarinet), Jean-Remy Guedon (tenor saxophone,piccolo), Francois Merville (drums,percussion); Pierre Charial (orgue de barbarie), Valentin Clastrier (vielle a roue). Collectif Polysons は、France を拠点に jazz / improv. の文脈で活動する、 コード楽器抜きの三管に打楽器 (Merville は Louis Sclavis のバンドで知られる) という変則編成のバンドだ。その新作は、orgue de barbarie (手回しオルガン) と vielle a roue (ハーディ・ガーディ) をフィーチャーしたもの。 フィーチャーされている orgue の Charial も vielle の Clastrier も、 Michael Riessler (clarinet, saxophone) と共演した作品が強く印象に残っている。 (特に、Charial 参加の Michael Riessler, _Orange_ (Act, 9274-2, 2000, CD) や、 Trio Clastrier - Riessler - Rizzo, _Palude_ (Wergo-J, 8010-2, 1995, CD) は、 テンションも高めでお薦めの作品だ。) そんなわけで、Charial と Clastrier の 共演の機会も多そうに思うのだが、実際の共演の録音を聴いたのはこれが初めてだ。 orgue のシュポシュポいう音や vielle のキーキージージーいう音は、聴きなれて いないこともあって、このCDの中では主役的と言っていいほど強い印象を残す。 Collectif Polysons の演奏は、あまり jazz 的なイデオムを用いず、オフビートで 作曲的要素が大きい。それもあって、この作品の雰囲気は、Charial や Clastrier が参加した Riessler の一連の作品に近いものになっている。Collectif Polysons に おけるコード楽器 (piano や guitar) 不在の穴を、Charial の orgue と Clastrier の vielle が埋めていて、しっくり組み合わさった演奏になっていると思う。 "Imax" での orgue と trumpet の掛け合いなど、ひょうきんさも感じられて新鮮に 楽しめた。この演奏で、Riessler があまり trumpet を使わないこと気付かされたり。 _Folklore Moderne_ というタイトルは、伝統的な音楽の現代的な解釈という意味 ではベタなものだが。伝統的な節回しを感じるのは "Polkaba" くらいだろう。 むしろ、orgue や vielle といった伝統的な楽器を使っているという意味合いが強い のではないかと思う。 jazz / improv として新鮮なアプローチというわけでないが、orgue や vielle の 音色も、trumpet の音などと合って、ユーモラスに感じられるところも良いと思う。 2002/10/28 嶋田 Trout Fishing in Japan 丈裕