Blend / Various Artists
_Thema 1: Blend Meets Libra_
(Libra Music, LM023-2, 2002, CD)
- 1)Traces (Tabla Magic Version) (Vangelis Katsoulis)
2)Rosebush (Idle Thorn Dub) (Giorgos Maglaras)
3)Afro (More Afro Version) (Andreas Georgiou)
4)Salome (10 Notes Bossa Version) (Michalis Nikoloudis)
5)Alagoiz (Balcan Bossa Dub) (Nor Dar)
6)Ov Siroun (Slow Bursting Version) (Haig Yazdjian)
7)A Portrait Of You (4 Track Mind Version) (Nor Dar)
8)Sky Colours (2nd Version One) (Makis Ablanitis)
9)S'Ayto Ton Cosmo Ton Mikro Ton Mega (Illwood Beach Version)
(Giorgos Maglaras)
- Arranged and Produced by Blend (a.k.a. George Mandas).

1990年代後半から post-ECM 的な jazz 〜 world music をリリースしてきた
Greece のレーベルが、自身の音源をネタに使った remix アルバムをリリースした。
手がけた Blend (a.k.a. George Mandas) は、US の Shadow レーベル (もともと
Ninja Tune のUS盤をリリースしていたレーベル) からリリースしてきている
Greece のDJで、DJ Spooky との交流が深いようで、最新作 _Dubtometry_
(Thirsty Ear / Blue Series, 2003) にも参加している。

最近の欧州における jazz / electronica / world music を巡る状況からすると、
このようなリミックス盤は出るべくして出た、という感もある。正直に言って、
実際の音もある程度予想できる範囲だ。しかし、folk 的な要素 (とくに楽器の音)
などは耳新しさもあるわけで、それなりに楽しめるものでもある。

remix の音作りは、downtempo breakbeats からいささか dub 寄りという感じだ。
伝統的な楽器の音色や節回しを生かしたのだろうが、いささかチャカポカした感じ。
あまりディープでないのは、惜しい。ちなみに、dubwize な Giorgos Maglaras,
"Rosebush (Idle Thorn Dub)" や Nor Dar, "Alagoiz (Balcan Bossa Dub)" が
気にいっている。flying high hat ならぬ flying darbuka みたい聴こえたり
するのも面白い。Norway のミュージシャンが参加した Vangelis Katsoulis,
"Traces" のリミックスが Nils Petter Molvaer みたいだというのは、どこまで
本気なのだろうか…。

Versatile あたりがリリースしてそうな、アップテンポな house リミックスも
聴いてみたい。一曲をリミックスするのではなく、複数の音源を組み合わせて
曲を新たに構成するようなこともして欲しい。とか、いろいろ思いつくけれども、
これは今後に期待したい。

2003/03/23
嶋田 Trout Fishing in Japan 丈裕