Hungary の folk music / club music 混交といえば、Besh o droM のようなバンド もあるが、もっと club 寄りのアプローチの音楽が出てきた。 Various Artists _Etchno: dub.bass.neptanc.hu_ (Gypsyhouse, GHCD001, 2002, CD+) - 1)Intro / LC Rules 2)Lovasok A Szakadek Fele (Bigteteny's Finest) 3)Valamerre (Pozsi + Basic) 4)Dusk (Amb) 5)Intermezzo 1 6)Hands Up! (Anorganik) 7)De Szeretnek (Virgacs) 8)Saddam Churka (Portasfej & The Carbonfools) 9)E-W Dance (Aurin) 10)Paraszt (Belga) 11)Space Gipsy (Odin Minimalheadz) 12)Blood (Aurin) 13)Csillagom (Gergely Attila) 14)Intermezzo 2 15)Kitcsice (Emil & Jana) 16)Viragom (Spacecafe) 17)Transzra-Magyar (El-Horto) 18)Ataa (Pseudo Sistem) 19)Intermezzo 3 20)Sikolt rikolt (Virgacs) 21)Foreign Dub (Anorganik) extra)Video: Aurin, "E-W Dance" (dir. by Juhasz Andras) TAP (Tilos az A Performance) Theater での舞台作品 _Etchno_ のための音楽の CDで、electronica 〜 breakbeats な音が収録されている。 Tilos az A は、Hungary 初のクラブDJ と言われる DJ Palotai によって1991年に オープンしたクラブで、2001年まで自由ラジオ局も持っていた (今はインターネット ラジオ http://tilos.hu/ )。東欧革命後の Hungary のシーンは「全てここから 始まる」 (Niedermayr / Schieb, _Im Osten_ (PFAU, 2003)) とも言われる伝説的 なクラブでもある。ここには参加していないが、欧米で活躍中のDJチーム Keyser & Shuriken (a.k.a. Crate Soul Brothers) も、拠点は Tilos だ。 といっても、Hungary のクラブシーンの音楽はレコードとしてあまり出回っておらず、 このCDで音を聴くはおろか名前を見るのも始めてのミュージシャンがほとんどだ。 1980年代から電子音楽的な活動をしていた Laszlo Hortobagyi (a.k.a. El-Horto) や、(もともと psyche rock 的だったが) digital rock 的な音を演るバンド Korai Orom のリーダー Emil Biljarszki (a.k.a. Emil) といったミュージシャン も参加している。 ethno と techno をかけたタイトル、dub.bass.folkdance.hu というサブタイトル から、Hungary の folk/roots 的なものを意識していると思われる。確かに、 fiddle のような folk 的な楽器音のサンプリングが使われている曲は多い。 しかし、Marta Sebestyan を思わせる folk 的な女性の歌唱や cymbalom の響きと IDM 的なリズムの取り合わせもカッコイイ Emil & Jana, "Kitcsice" のような 曲はむしろ例外的で、実際のところはあまりその色は濃くない。dubwize な trip hop 〜 jungle 的な音が基調だろうか。低音もしっかりしたダンスフロア 指向の音作りになっており、悪くはない。 舞台用音楽ということもあるのかちょっと B.G.M. 的でキャッチに欠けるように 感じられるのも惜しいし、folk/roots 要素抜きでクラブシーンの普段の音も 聴いてみたいようにも思うが、こういう形でも聴けるのは有り難い。 しかし、このような企画は一発限りの際物のようにも思われたのだが、続編も リリースされている。 Various Artists / Romano Drom _Romano Trip: Gypsy Grooves From Eastern Europe_ (Gypsyhouse, GHCD003, 2003, CD) - 1)Kri-Sta Remix (LC Rulez) 2)Drom (Carbonfools) 3)Lina (Amb) 4)Data Devla (Emil) 5)Devla Remix (Frizbi) 6)York Napsutese (Spacecafe) 7)Kon Ka Mel Pe (100% Original Samples) (Pseudo System) 8)Gipsy Street (Mixed by Yonderboi) (DJ Bootsie) 9)Gypsy Dub #1 (No Atmo Mix) (El-Horto) 10)Csavard Rome (Gergely Attila) 11)Mia Mano (LC Rulez) 12)Konnyu Nappali (Spacecafe) 13)Vandor (Virgacs) 14)Gypsy-Ang (Delo Brisind Mix) (El-Horto) - Made from the songs of Romano Drom, _Ando Foro_ (Daqui, 2001). こちらは、Hungary の Olah Gypsy のバンド Romano Drom のリミックス盤だ。 Romano Drom は _Etchno_ の舞台作品に出演しており、その縁で、_Etchno_ に 参加したミュージシャンたちによる remix 盤が実現したという。 参加したミュージシャンが重なるせいか、音は _Etchno_ に近いのだが、元と なる Romano Drom の歌があるせいか、_Etchno_ よりキャッチーで楽しみ易い。 Carbonfools, "Drom" など、ちょっとよたった歌唱を、まるで Lee Perry のような reggea / dub の音に乗せたところもハマっている。manouche っぽい guitar の カッティングを生かした jungle 的なアップテンポな曲 Emil, "Data Devla"、 重いベースは生かしたままリズムは軽めな deep house 的に remix した Drizbi, "Devla Remix" もいい。ストレートな Gergely Attila, "Csavard Roma" にしても、 変則的な Spacecafe, "Konnyu Nappali" にしてもそうだが、jungle のビートと manouche 〜 flamenco を思わせる guitar のカッティングの相性は、とても良い。 folk/roots 的な要素も加えて、Tilos 界隈のシーンがどうなっていくのか楽しみだ。 2003/06/29 嶋田 TFJ 丈裕, http://www.kt.rim.or.jp/~tfj/