八木 美知依 『じゃぽねすくの夜』 (Michiyo Yagi, _La Nuit Japonesque_) Super Deluxe (六本木), http://www.super-deluxe.com/ . 2003/07/04, 22:00-27:00. - Paulownia Crush; Talon: 八木 美知依 (electric koto), ナスノミツル (bass), 吉田 達也 (drums); 勝井 祐二 (violin,electronics) solo; 山口 小夜子 (舞) & 八木 美知依 (筝); etc 同時代的な即興シーン界隈との共演も多い筝奏者の 八木 美知依 をメインに 据えたオールナイトのイベントを観てきた。じっと観る・聴くことを前提とする ような演目は睡魔との戦いになりがちで、辛いところもあった。 24時過ぎくらいに会場に着くと、ちょうど Talon の演奏中。electric guitar を electric koto に置き換えた "power trio" な編成で、力入りまくりという 感じの音だ。Altered States - Ruins な bass - drums から予想ついていたし、 眠気を吹き飛ばすという意味では良かったけれど。Power Tools (Bill Frisell が 1980sに組んでいた power trio) のような、ふっと抜くような変化も欲しいかなぁ、 と思ったりもした。 勝井 祐二 (Rovo) のソロは、昼〜晩の充分に覚醒したときに聴けば違ったかも しれないが、深夜にはひたすら眠くて仕方なかった。 最後は、ライティングというよりVJ 的な抽象的で細かく切り替わる映像が投影 される中で、八木の筝 (20弦と17弦) のソロに合わせて、山口 小夜子 が舞う というもの。さすがに 山口 は存在感あって、暫らくは目を引かれた。映像も、 最初のうちは 山口 の顔の周りだけとか線状に光を当てるという感じだった。 しかし、VJ的な映像がずっとノッペリとオーバーラップするようになってからは、 山口 の身体性というか肉体的な存在感が希薄になってしまい、ぐっと単調に なってしまったように感じた。そうなると、あとは睡魔との戦いだった。後半は 山口 の舞は抜きだったが、実際、そうなっても大きな変化は感じなかった。 体調もあって、とてもエキサイティングだった、とは言い難い。けれども、 一回きりの折衷的な企画物で終らせずに、継続して「じゃぽねすく」をより 実体化していくことができたら、それはそれで面白くなるのかなぁ、とも思った。 2003/07/05 嶋田 Trout Fishing in Japan 丈裕