Mario Seve & Marcelo Fagerlande _Bach & Pixinguinha - Sax, Flauta & Cravo_ (Nucleo Contemporaneo, NC017, 2001, CD) - 1)Rosa 2)Ainda Me Recordo 3)Invencao A 2 Vozes Em Re Menor 4)Naquele Tempo 5)Ele E Eu 6)Coral Da Cantata BWV 140 "Wachet Auf" 7)Gargalhada 8)Lamentos 9)Allemande Do Solo BWV 1013 10)Aria Da Cantata BWV 21 "Ich Hatte Viel Bekuemmernis" 11)Urbata 12)Solres Porque Queres 13)Invencao A 2 Vozes Em Sib Maior 14)Invencao A 3 Vozes Em Fa Menor 15)Fantasia Em Do Menor BWV 906 16)Um A Zero 17)Carinhoso - Recorded 1998/2/16-19. Exective Producer: Benjamim Taubkin. - Mario Seve (soprano saxophone,alto saxophone,flute,piccolo), Marcelo Fagerlande (cembalo). 18世紀前半 Baroque 期のドイツの作曲家 J. S. Bach と、20世紀前半のブラジルの choro の Pixinguiha の choro の作曲家 / flute 奏者 Pixingihna のネタにした アルバムだ。 この2者に共通するものといって、最初に連想するのは対位法だろうか。澄んだ saxophone や flute の奏でる旋律と、ちょっと鈍い cembalo の響きの辿る旋律が からみ合うところが、このアルバムの一番の聴きどころだろう。ゆったり伸びる ような saxophone の音と、一つ一つの音が持続せずに細かく刻むように鳴る cembalo の音が、よいコントラストを成していて、面白い。 といってもそういう二楽器の複雑な絡みが全面的に展開されているわけではない。 cembalo が伴奏的に展開コードとか弾くときもある。オープニングの choro の名曲 "Rosa" では、まるで guitar のように cembalo が伴奏していて、それもまた ハマっている。"Lamentos" にしても、guitar が弾くようなフレーズを cembalo が繰り出していて、その微妙なズレ具合も面白い。 ちなみに、このアルバムを手に取ったのは、saxophone を吹いているのが、 Marcos Suzano や Lui Coimbra らと Aquarela Carioca としても活躍する Mario Seve だったからなのだが。その期待を裏切らない仕上がりだった。 こういう企画は、いかにも Winter & Winter レーベルあたりが考えそうなものだが。 リリースは、Sao Paulo, Brazil の独立系レーベル Nucleo Contemporaneo。 piano 奏者の Benjamim Taubkin と saxophone 奏者の Teco Cardoso が A & R で、 choro というよりも欧米の jazz 界隈の動きと連動したようなインストゥルメンタル の音楽をリリースしてきている。Pau Brasil ともレーベルカラーが近いように 思うが、もっとアコースティックな音をレーベルカラーにしている。 sources: Nucleo Contemporaneo, http://www.nucleo.art.br/ 2003/09/15 嶋田 Trout Fishing in Japan 丈裕, http://www.kt.rim.or.jp/~tfj/