Arnaldo Antunes _O Corpo_ (Grupo Corpo, GC005, 2000, CD) - 1)Momento I 2)Momento II 3)Momento III 4)Momento IV 5)Momento V 6)Momento VI 7)Momento VII - Produced by Ale Siqueira. - Arnaldo Antunes (voice,violao), Ale Siqueira (violao), Chico Neves (sound processing,effects), Edgard Scandurra (guitarra), Guilherme Kastrup (percussion), Monica Salmaso (voice), Paulo Tatit (bass,violao), Saadet Turkoz (voice), Zeba Moreau (keyboards). Arnaldo Antunes がダンス・カンパニー Grupo Corpo のために作った音楽を 収録したCDで、リリースは Antunes が契約している BMG ではなく、ダンス・ カンパニーの自主制作だ。 Chico Neves や Saadet Turkoz が参加しており、おそらく、同様の面子による _Um Som_ (BMG Brasil, 7432161012-2, 1998, CD) と同時期の録音と思われる。 といっても、ダンスの伴奏ということもあって、_Um Som_ で収録されている ような普通の pop / rock のフォーマットの曲をやっているわけではない。 収録されているのは、むしろ、_Nome_ (BMG (Brasil), M30.072, 1993, CD) に近い音世界だ。Antunes は歌うのではなく、抽象的なヴォイシングであり、 それが、サンプリングされて散りばめられている。Scandurra の切り裂くように 入ってくる guitar も効果的だし、Neves の音処理もシャープだ。pop のような 曲展開は無いが、コラージュ的な面白さもある。エッジが立った音が抽象的に 音が貼り合わされている中から、Monica Salmaso のちょっと愁いを感じる 澄んだ歌声が浮かびあがってきたりするのが、また、カッコよい。_Nome_ に おける Marisa Monte の役割を Salmaso が演じているといったところだろうか。 もちろん、Istanbul 出身の Kazakh 系で欧州 improv シーンで活躍する Saadet Turkoz の、中央アジア的なシャーマニックな声も、効果的だ。 惜しまれるのは、収録時間が1時間足らずと短いこと。Antunes には、もっと こういう音作りでのリリースをして欲しいように思う。もしかしたら、 舞台作品や映像作品のための音楽とかもっと作っているのかもしれないが。 Arnaldo Antunes / Carlinhos Brown / Marisa Monte, _Tribalistas_ (Phonomotor / EMI Brasil, 542148-2, 2002, CCCD) のような普通にポップな 作品も悪くないが、Antunes の持ち味は、_Nome_ や _O Corpo_ のような所で こそ生きるようにも思う。 sources: Arnaldo Antunes, http://www2.uol.com.br/tribalistas/e/arnaldo.htm 2003/09/15 嶋田 Trout Fishing in Japan 丈裕, http://www.kt.rim.or.jp/~tfj/